大学を卒業して最初に就職した先は、小さな和紙の企画・製造会社だった。
当時はリクルート全盛、同期は皆大手を目指していたけど、就職相談室で
何となくめくっていた求人誌にあったその会社に惹かれてしまって。
会社は和紙の人形作家として著名だった女性社長と、30代位の女性の2人。
そこへ新卒4名の私達(全員女性)が就職。
とにかく毎日が刺激的でミラクルだった。

全国の和紙を集め、商品(ステーショナリー、キッチン用品、ラッピング用品、
インテリア等々)を企画し、時には自分達の手で製作し、
百貨店でのショップの他、私は飛び込みで銀座や新宿と営業し販路を探したり。
当時渋谷のS百貨店担当で、納品作業も全て自分、時には池袋の会社から
大きなダンボールを台車に載せたまま山手線に乗って、渋谷までなんてことも。
そのまま和紙ショップでの接客もし・・・。
今思うと、怖いものはなかったし、恥ずかしいと思う所が人とは違っていたのかも。
他を知らなかったこと、若かったこと、そして何より社長のどこまでも前向きで
自分の力で物事を考え、行動するという精神に、どこか惹かれていたのでしょう。
その社長がよく言っていたことば。
「心頭滅却すれば火もまた涼し」そしてこの「変化こそ進歩」
社会もモノづくりも初めての私達にとって、厳しくてはちゃめちゃでパワフルで、
できないことはないと信じていた社長ちゃんは、スーパーウーマンだった。
先日も連絡を取り近況を伺うと、今はその会社はたたみ、中国商品を扱う会社を
経営しているとのこと。今は社長ちゃんと呼ばせて頂いている。
おそらく70歳近くを迎えられていると思うけれど、一人で年に何度も中国に行き
まだまだ、益々変化と進化を続けられているよう。
私の人生に、ひとつの色を与えてくれた人でもあり、愛すべき存在でもある。
その社長ちゃんとのミラクル話の続きはまた明日。。
