asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0828/TKY201208280567.html)と東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012082801002324.html、http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012082990070052.html)。
活断層が在っても電力会社が耐震「安全性」に影響はないなどとする評価結果を平気で口にできる神経は信じがたい。東京電力原発人災以降、耐震「安全性」など幻想に過ぎないことがまだ理解できていないらしい。その神経を理解できない。
それを受けて、経済産業省原子力「安全」・保安院が「原発、断層ずれても運転可能に 保安院が新基準導入へ」って、どういうこと? 当初は、「断層は無い」といい、「断層は動かない」といい、それを追認してきた。こんどは、「断層は動いても大丈夫」という。自分たちで決めた基準をどんどんと自己に都合よく変えていくのだから、そんなことが認められるのならば、何でも「安全」だ。大昔、土木工学の構造力学の教授が「原子炉は横に転んでも、壊れないほど頑強に作られている」と言っていたが、東京電力原発人災で「転ばなくっても原子炉は壊れる」ことを嫌というほど学ばされた。最後のベントに関する記事を見れば、原子力ムラの住人の計算や、設計や、施工や、評価がいかにいい加減であり、意図的な嘘がまかり通ってきたのかが分かる。
それにしても、経済産業省原子力「安全」・保安院の「安全」の定義ってなんだ? 「保安」ってなんだ? 原発の「地元(=日本全域)」の市民の命を危険にさらしてでも守りたい「安全神話」とは?
なんで大騒ぎしないのだろう? 不思議。もっと大きくマスコミも報じるべきだと思うけれども・・・。
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【http://www.asahi.com/national/update/0828/TKY201208280567.html】
2012年8月28日20時15分
4原発、活断層連動でも「安全」 各電力会社が評価
原発周辺の活断層が連動して想定を超える地震の揺れを起こすと指摘されていた北海道電力泊原発、北陸電力志賀原発、中国電力島根原発、四国電力伊方原発について、4電力会社は28日、重要施設の耐震安全性に影響はないとする評価結果を明らかにした。経済産業省安全・保安院の専門家会合に示した。
東日本大震災を踏まえた検討の一環で、保安院が各電力会社に求めていた。各社が評価したところ、耐震安全性に影響を及ぼすことはなく、追加の耐震補強工事は不要とした。
・・・・・・。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012082801002324.html】
原発、断層ずれても運転可能に 保安院が新基準導入へ
2012年8月28日 21時02分
原発直下に地盤をずらす「断層」があっても原発の運転を一律に禁止せず、継続の可能性を残す新たな安全評価基準の導入を、経済産業省原子力安全・保安院が検討していることが28日、分かった。
保安院は従来「活断層の真上に原子炉を建ててはならない」との見解を示していた。新基準では、これまでは活断層と判断される可能性があった一部の断層について原発の直下にあっても、ずれの量が小さく原子炉建屋などに影響が生じないと評価されれば原発の運転継続も可能になるとみられる。
だが「ずれの量の正確な評価手法はまだ完全ではない」(保安院)など課題も多い。
(共同)
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012082990070052.html】
福島第一事故 安全装置 ベント妨げる
2012年8月29日 07時01分
昨年三月の東京電力福島第一原発事故で、早い段階で原子炉への注水に向け、ベント(排気)をしようとしたのに、配管の途中にある安全装置の設計が悪く、対応が遅れる大きな原因になっていたことが、東電の社内テレビ会議映像から分かった。放射能を閉じ込めるための安全装置が、逆に事故を深刻化させていたことになる。
事故では、2、3号機とも高圧で注水する装置が使えなくなり、消防車などで注水しようとしたが、原子炉(圧力容器)の圧力が高く難航した。
炉の圧力を下げるには、格納容器に蒸気を逃がす弁(SR弁)を開け、合わせてベントをする必要がある。だが、ベント配管の途中に設置されている「ラプチャーディスク(破裂板)」と呼ばれるステンレスの円板が、ベントの障害となった。
ディスクは、配管にふたをする役目をしており、一定の圧力がかからないと破れない仕組み。誤ってベント弁を開けてしまっても、放射性物質が外部に漏れ出さないようにするのが目的だ。
しかし、ディスクの設定圧力が高すぎ、早く炉の減圧とベントをして一刻も早く注水をしたいのに、なかなかディスクが破れず対応が遅れ、その間にも核燃料が過熱していく悪循環を起こした。
テレビ会議の映像には、「ベント前に炉心損傷ということになっちゃう」(十三日午前五時すぎ、3号機への対応で)、「ラプチャーが開くのを待っているところ」(十四日午後十時ごろ、2号機への対応で)など、もどかしい現場の様子が何度も出てくる。
東電の宮田浩一・原子力安全グループマネジャーは「ベントをしたいと思った時にできなかったことが最もつらい状況だった」と振り返る。
経済産業省原子力安全・保安院は事故の反省を踏まえ、ディスクがベントの妨げにならないよう見直すべきだとの考えで、原子力規制委員会に対応を引き継ぐ見通しだ。
北海道大の奈良林直教授(原子力工学)は「欧州ではディスクを迂回(うかい)するルートを設け割れなくてもベントをできるようにしている国もある。日本はこれまで『格納容器から漏らさない』との呪縛にとらわれており、それが設計にも反映されていた」と話している。
(東京新聞)
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