和歌山県警の鑑定結果捏造事件についての日刊ゲンダイの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/138261)。
和歌山県警の鑑定結果捏造事件、うかつにも見落としていたようです。しかも、和歌山毒カレー事件との関連もあるようです。和歌山毒カレー事件については、あれだけバカ騒ぎしたのに、ほとんどマスコミで報道されないし、最近では、月刊『創』でもほとんど報じられていないように思う(購入してはいるのですが、ツンドク状態・・・)。
足利事件の菅家利和さんは奇跡的に冤罪が晴れたが、当時のDNA鑑定の杜撰さが指摘され、ずっと指摘されていたにもかかわらず、これまで認めてこなかった。大変な不幸中の幸いであるが、菅家さんは冤罪が晴れた。しかし、同じDNAの鑑定方法で飯塚事件の久間三千年さんは死刑執行済みである。つまり、無辜の人、無罪の人を死刑・私刑にしてしまい、取り返し様の無いことをしてしまっている。死刑執行の瞬間の久間さんの脳裏には一体どんなことが過ったのだろう。警察官や検察、裁判官への怨嗟だろうか?
今回、和歌山県警で、検定結果の捏造を行った主任研究員が和歌山毒カレー事件に直接に関係していたかどうかは分からない。ただ、和歌山県警の科学捜査研究所(和歌山県警科捜研)は和歌山毒カレー事件の際にもミスを犯しており、和歌山県警科捜研の「科学捜査研究」がかなり疑わしいものだったことは明らかになったようだ。
和歌山毒カレー事件の死刑判決はかなり異様であり、マスコミのばか騒ぎに煽られて、警察庁科学警察研究所(科警研)や和歌山県警科捜研の具体的な証拠が示されるわけでもなく、「状況証拠だけで死刑判決となった異例の事件」である。しかも、「目撃」証言も非常に恣意的、曖昧であるにもかかわらず、そんないい加減な「状況証拠」だけで林真須美(林眞須美)氏に死刑判決が出されている。マスコミが疑わしいと烙印を押せば、罰せよ!、と言わんばかりである。こんな死刑判決を最高裁が支持するのだから、この国の司法制度・裁判制度はどこかが狂っている。
裁判員制度になって、我々(私は絶対に拒否します: コレやコレを、ご参考まで)に「死刑のスイッチ」を押させて、死刑への意識のハードルを下げさせ、死刑存置に我々が貢献させられていることを意識する必要があるのじゃないか? 最高裁がやらせタウンミーティング(TM)までやって、裁判員制度導入を図った意図を我々は読み取った方がよい。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/138261】
科捜研 鑑定デッチ上げで再注目される毒カレー事件
2012年8月17日 掲載
和歌山県警 激震
<再審請求の行方はどうなる>
和歌山県警に激震が走っている。捜査で押収した証拠品を分析する県警科学捜査研究所(科捜研)で、男性主任研究員(49)による鑑定結果の捏造(ねつぞう)が発覚したからだ。主任研究員は、別の事件の鑑定データを流用したり、鑑定書に所長の公印を勝手に押したりする手口で鑑定結果をデッチ上げた。県警の捜査で、10年5月~12年6月の間に少なくとも計8回の捏造が確認されたという。
捏造鑑定書が作られていたのは、交通事故や無理心中、変死などの事件。虚偽公文書作成・同行使容疑で捜査している県警は、これらの鑑定書について「内部の説明資料」「鑑定自体には問題なし」と平静を装っているが、とんでもない話である。
「科捜研の鑑定結果は、裁判で有罪、無罪を判断するキメ手となる
“超一級の証拠”です。その証拠を捏造なんて前代未聞。
郵便不正事件や小沢事件で発覚した検察の捏造調書と同じか、
それ以上にタチが悪い。主任研究員は『見栄えのよい資料を
作りたかった』と出来心を強調しているが、証拠品に対する意識が
低過ぎる。主任がこんな認識では、組織全体で捏造が常態化していた
とみられても仕方ありませんよ」(元検事の弁護士)
問題なのは、この捏造発覚が過去の重大事件にも影響を及ぼしかねないことだ。和歌山といえば、思い出すのは、98年7月の「和歌山毒カレー事件」だ。この事件では和歌山県警科捜研が当初、原因毒物を「青酸化合物」と誤鑑定する“大失態”を起こしていた。
「『ヒ素』と特定したのは、警察庁科学警察研究所(科警研)で、
事件発生から9日後でした。この初動捜査の遅れが事件解明を
困難にさせ、捜査の迷走を招いたのは間違いないでしょう。
そのうえ、公判では、弁護人が『鑑定資料の収集、保管の過程が
ズサンで不透明』『保管や受け渡しの際の状況が、写真などの
客観的証拠で保全されていない』と科捜研の不手際を批判しました。
結局、事件は09年5月に最高裁で林真須美の死刑が
確定=再審請求中=しましたが、状況証拠だけで死刑判決と
なった異例の事件だけに、今回の科捜研の捏造事件はカレー事件にも
波紋が広がるかもしれません」(司法ジャーナリスト)
問題の主任研究員は、85年に技術職員として採用されたというから、カレー事件当時も在籍していたことになる。
今回の捏造発覚で、林真須美の弁護団は再審請求の攻勢を増すだろう。今ごろ、和歌山県警は頭を抱えているんじゃないか。
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