山口県知事選について、東京新聞の記事・社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012073002000115.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012073002000118.html)、日刊ゲンダイの記事、(http://gendai.net/articles/view/syakai/137837)、再度、東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012073102000088.html)。
最後に、フジロックでの井上陽水さんについての記事(http://www.asahi.com/showbiz/festival2012/TKY201207300344.html)。
投票率の低さが残念だ。半分以上の人が投票に行かないなんて・・・。何とかならないだろうか? 原発推進派(隠れ推進派も含めて)や軍拡派、その他「国を危うくしますよ派」を利するばかりだと思うのです。「どうせ選挙に行っても何も政治は変わらない」と仰る方は、この半分も選挙に行かないという現状をご覧になれば、皆が行けば変わり得ることに気づかないと変だと思うのですが。東京電力3・11FUKUSIMA原発人災「直後」(種々核問題の数万年とか数十万年に比べれば「直後」です)のいま、単なる無関心派であるのならば、目覚めていただかなければ。
こういう報道(http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120730/plt1207301127000-n1.htm)のされ方も飯田哲也さんの本意なのだろうか? とても気になる。この記事によると「・・・スローガンを「エネルギー維新」として、橋下氏率いる「大阪維新の会」との関係の近さをアピールし、名古屋市の河村たかし市長らを応援弁士に招き、「既成政党vs第3極」の構図を作り、・・・」とのこと。本当にこういう方向で山口県政を行うつもりだったのでしょうか。こういう報道を否定された方が良いと思いました。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012073002000115.html】
山口知事に山本氏 「脱原発」飯田氏善戦
2012年7月30日 朝刊
任期満了に伴う山口県知事選は二十九日投開票され、無所属新人の元国土交通審議官山本繁太郎氏(63)=自民、公明推薦=が、NPO法人所長飯田哲也氏(53)ら無所属三新人を破り初当選した。投票率は45・32%で過去最低だった前回を8・11ポイント上回った。
中国電力が進める上関原発建設計画(同県上関町)への対応などが主な争点。山本氏は同日夜、山口市で記者団に原発計画の凍結方針をあらためて示した。政府の新たなエネルギー政策の行方を見守る姿勢で、計画再開にも含みを残した。
一方、原発計画の白紙撤回と「脱原発」を唱えた飯田氏は山本氏を追い上げ善戦。支援者らに「これで終わりではなく、新しい明日への始まりとしたい」と強調した。
二十三日に米軍岩国基地(同県岩国市)に搬入された垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて、山本氏は「県民の安全への懸念が払拭(ふっしょく)されない限りは(運用に)反対だ」と重ねて表明した。八月下旬にも予定される試験飛行をめぐり、政府は対応を迫られる。
山本氏は四期十六年務め、今期限りで引退する二井関成知事の後継者。県政継承を提唱し産業、雇用政策を重点的に訴えた。県内市町長の多くが山本氏を支持し、石原伸晃幹事長ら自民党の有力議員が応援に駆け付けた。
エネルギー政策に詳しく、元大阪府市特別顧問として橋下徹大阪市長らをサポートした飯田氏は、自然エネルギー導入による地域活性化策を主張。現県政を批判し刷新を訴えたが及ばなかった。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012073002000118.html】
【社説】
山口県知事選 地域の選択 曲解するな
2012年7月30日
山口県知事選で原発再稼働、オスプレイ搬入への反対を訴えた候補が敗れた。しかし、勝った新知事も賛成とは言えない状況にこそ注目すべきだ。地域の選択を政府の都合で曲解してはならない。
ここしばらく無風が続いた「自民党王国」山口県の知事選。今回も二井関成知事が後継指名し、自民、公明両党が推薦する元官僚、山本繁太郎氏が盤石とみられていたが、NPO法人所長、飯田哲也氏の立候補で一転して激しい選挙戦となった。
事実上の一騎打ちに敗れたとはいえ、飯田氏が選挙戦に一石を投じることになったのは、飯田氏が最近まで橋下徹大阪市長のブレーンを務めていたことに加え、脱原発の立場で「エネルギー維新」を訴えたからにほかならない。
山口県では中国電力上関原子力発電所(上関町)が建設途上にあり、東京電力福島第一原発事故の影響で工事が中断された。公有水面埋め立て免許は今年十月に失効するため、工事継続の可否は新知事の判断に委ねられている。
飯田氏が勝利すれば原発建設計画は白紙撤回されていたに違いない。とはいえ、県民が山本氏に原発推進を委ねたわけではない。
飯田氏を警戒する山本氏は「3・11以降、脱原発依存は当たり前、上関原発建設計画は凍結」と工事再開に含みを持たせながらも、計画推進を打ち出すことはなかった。加速する脱原発の流れには抗(あらが)えないということだろう。
選挙戦期間中に米海兵隊岩国基地(岩国市)に搬入され、十月に沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場に配備される垂直離着陸輸送機MV22オスプレイも同様だ。
開発中から事故が相次ぎ、飯田氏は「安全性が確認されない限り岩国に置いておくべきではない。撤去を政府に求める」、山本氏も「搬入は誠に遺憾。安全が確認されない限り飛行しないよう要請すべきだ」とそれぞれ訴えた。
原発やオスプレイをめぐる本格的な論戦を避けたのは、山本陣営による「争点隠し」の選挙戦術と言えなくもないが、原発推進やオスプレイ配備容認はそもそも選択肢になり得なかったということではないか。野田佳彦首相は原発再稼働やオスプレイ搬入に対する国民の厳しい世論を素直に受け止めるべきだ。
消費税増税で手を握った自公両党推薦の山本氏が勝利し、次期衆院選での躍進を警戒する「大阪維新の会」につながる飯田氏敗北に安堵(あんど)している場合ではない。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/137837】
山口県知事選 脱原発 反既成政党 敗北もドジョウ首相は窮地
2012年7月30日 掲載
29日投開票だった山口県知事選挙は、自民・公明推薦の元国土交通官僚、山本繁太郎氏(63)が25万2461票を獲得、逃げ切った。
とはいえ、“無風選挙”が当たり前の自民党の牙城で、脱原発・反既成政党を掲げた飯田哲也氏(53)が18万5654票まで迫ったのはスゴイことだ。
「アンチ既成政党の受け皿となり、善戦したといえます。飯田陣営は『山本氏と飯田氏の他に、元民主党衆院議員と元県職員が立候補していたことで票が食われた。一騎打ちなら勝てた』と残念がっていました。実際、負けた3人の得票を合計すると27万8222票で、山本氏を上回っています」(現地取材しているジャーナリスト・横田一氏)
<新知事は原発建設「凍結」、オスプレイ「反対」>
飯田氏が勝ったら、民主党政権への大逆風は確実だっただけに、野田首相は安堵しているのだろうが、そう甘くはない。山本氏の勝因は「争点ぼかし」だったからだ。
飯田氏の猛追を恐れ、山本氏は、地元・上関原発の建設計画については「凍結」、米軍岩国基地へのオスプレイ搬入も「反対」を主張していた。
政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。
「山口県知事選には、今の国政の課題がそのまま持ち込まれ、
原発建設『凍結』、オスプレイ『反対』を主張する山本氏が勝利した。
つまり、現政権に批判的な候補が勝ったということで、
民意は『反政権』を示したといえます」
山口の知事選の結果は、これから間違いなく国政に影響を与える。原発やオスプレイだけでなく、野田政権のゴリ押しに世論は批判的だということがハッキリしたからだ。
勝利したとはいえ自民党も苦しい。自民党は原発推進だし、日米同盟が機軸だからオスプレイに反対ではない。そのうえ、「反政権」が民意とすれば、民自“談合”がやりにくくなる。
野田も谷垣も揃って頭を抱えているんじゃないか。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012073102000088.html】
山口知事選 「脱原発」善戦に衝撃
2012年7月31日 朝刊
二十九日投開票された山口県知事選で「脱原発」を掲げた飯田哲也氏が自民、公明両党の推薦を受け、当選した山本繁太郎氏に善戦したことに対し、与野党に衝撃が広がった。選挙中に米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが米軍岩国基地(山口県岩国市)に陸揚げされたことが影響したという見方も出ている。 (冨江直樹)
今回の知事選は最近五回の中で最も接戦。これに関して、民主党の城島光力国対委員長は三十日、記者団に「原発やオスプレイの配備の問題が投票率を上げることにつながったのではないか」と述べた。
山口県内では中国電力が進める上関原発の建設計画がある。山本氏が計画再開に含みを残した「凍結」を主張したのに対し、飯田氏は「白紙撤回」を訴え、知事選で大きな争点となった。さらに、オスプレイの陸揚げが強行されて知事選への関心が高まり、投票率が上昇。無党派層の多くが飯田氏に流れ、接戦となったという分析だ。
輿石東幹事長も三十日の記者会見で、飯田氏の接戦はオスプレイの陸揚げと原発問題が影響したとの認識を示し「まず安全を最優先する国の姿勢が問われているのではないか。きちっと方向づける政権与党の責任がある」と述べた。
また、自民党の大島理森副総裁は記者会見で、飯田氏の善戦に関し「いわゆる第三勢力的、市民運動的な大きな不満を私どもは直視しなければならない」と指摘。飯田氏が「大阪維新の会」代表の橋下徹大阪市長のブレーンを務めていたことから、「第三極」の伸長に警戒感を示した。
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【http://www.asahi.com/showbiz/festival2012/TKY201207300344.html】
国会包囲の暑い日、陽水が教えてくれた/フジロック総括
3日間の会期中、雨はほとんどなし。これはフジロック史上初になるのか? 2012年、夏フェスの最高峰は、天気も味方して大成功に終わった。
・・・・・・。
それに何といっても井上陽水! 今年のグリーンステージでの名演の随一ではなかったか?
「東へ西へ」で始まり「夢の中へ」「氷の世界」など名曲をロックなアレンジでゴリゴリと押し、若い聴衆の度肝を抜く。「次の曲は最新のリズムで……」。とぼけたMCぶっこいて始めたのが「リバーサイドホテル」。のんびりしたシンコペーションが、本当に最新のダンスナンバーみたいに蘇る。圧巻は最後に演った「傘がない」。
テレビでは我が国の将来の問題を/
誰かが深刻な顔をしてしゃべってる/
だけども問題は今日の雨/
傘がない
1972年、安保闘争から学生運動の火がまだ熱く残っていた時代に、陽水はこう歌っていた。奇しくもこの日のステージと同じ日、原発依存からの脱却を訴える市民が国会を取り巻く「7・29脱原発 国会大包囲」があった。
真夏の山の深い緑。清らかな風。渓流の冷たい水に足を休ませたフジロッカーたち。「当たり前のことが、実は当たり前じゃなかったんだ」ということに、陽水の歌でみんな、改めて気づいたんじゃないか?
このとき、ステージ後方の通路はぎっしり埋まり、人が通れなくなっていた。
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