エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

ルターは悪魔が大好き

2015-03-11 12:41:44 | アイデンティティの根源

 

 中世の神学のお話ですから、疲れちゃうかもしれませんね。今しばらくのご辛抱。でも、エリクソンも大学教育を受けてない、専門学校出。エリクソンそのものが不思議です。

 Young Man Luther 『青年ルター』のp187の9行目途中から。

 

 

 

 

 

実在論の考え方は、教条主義者、ルターにはほとんど影響がありませんでした。しかしながら、ルターの日常的な言葉、殊に、悪魔主義との繋がりに現れていることを支配していたのは、「時代精神」でした。ルターは生涯、悪魔主義的な考え方に依存していたことを知っています。その悪魔主義的な考え方を、ルターは神学的な考えや科学的な判断と区別していました。悪魔が、ルターにとっての現実的な世界を背後から支えている、ということは、ルターの知的で宗教的な直感と別々に働いていたみたいですが、ほとんど偏執症も同然でしたし、中世一般の傾向を代表するものとは、同じではありませんでした。

 

 

 

 

 宗教改革者が悪魔好きだったということは、意外ですね。

 夜明け前の闇が一番深いのと同じかもしれませんね。

 

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叡智の源

2015-03-11 10:46:03 | 間奏曲

 

 闇から闇へと渡る渡を見たら、どんなに感動することでしょう。

 The Sense of Wonder 『不思議を感じる心』から p93の下から3行目途中から。

 

 

 

 

 

 こういったことを申し上げても、鳥や虫や岩や星や、その他の生物、無生物の名前も、私たち2人が分かち合ったものの名前は、一言も申し上げませんでした。もちろん、自分たちの興味関心のあるものを、名付けることは便利です。でもね、それは別の問題、合理的な観察眼のある親がいて、そんなには値の張らない、いろんな良書を手にいれて、解決すればいいことです。

 

 

 

 

 

 ですから、「知ることは、感じることのはんぶんも大事じゃぁない」んですね。感じることが、あらゆる知識、あらゆる叡智の源です。

 

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プレイフルな関わり 改訂版

2015-03-11 07:42:37 | エリクソンの発達臨床心理

 

 楽しい時間、と言ってもピンとこない人もいるんでしょうか?

 子どもと毎日接していて、「楽しい時間」程肯定的なことはありません。最近の子どもは、「愛着障害」だらけでしょ。自己肯定感、自己効力感、セルフイメージが、とっても低い。ですから、肯定されることに飢えてんですね。「愛着障害」の脱抑制型と呼ばれる子どもは、やんちゃっ子。誰彼かまわず、関心引付行動(attention seeking behavior)をします。でも、それは「迷惑」なことなので、「問題行動」だと言われて、否定されることが多い。つまり、自己肯定感かますます下がっちゃう。

 さらに深刻なのは、日本の教員も、自己肯定感、自己効力感、セルフイメージがとっても低いってことですね。2014年の公表された「OECD国際教員指導環境調査」を見ますと、日本の教員は、加盟する、国や地域の中で、自己効力感が最低で、労働時間が最長です。自分に自信がないのに、子どもに自信をプレゼントすることなどできませんでしょ。実際、「生徒に勉強ができると自信を持たせる」は、教員の低い自己効力感の中でも、最低です。詳しくはこれらをどうぞ。

http://www.t-kyoikukai.org/teigen74.html 

 学校で、「正しいこと」を子どもに押し付けて、「指導」と称している人は、ほぼ例外なく、自己肯定感、自己効力感、セルフイメージがとっても低い。だから、「正しい」ことを子どもに押し付けて、少しでも自分の自己肯定感、自己効力感、セルフイメージを引き上げたい、という無意識裡の力が猛烈です。ですから、日常的な意識では、その「正しい」ことは止められない。バイブルの中に出てくる、まじめな律法学者やファリサイ派の人々と同じです。ですから、彼らには、イエスと同じことを申し上げましょう。「あなたの近くの子どもを大事にしてくださいね」、「あなたも、子どものようになってくださいね」と。

 フロムに言わせたら、「8歳半から10歳になる以前の、ほとんどの子どもたちが、アンテナを立てているのは、自分が≪真の関係≫の中で大事にされているかどうか、ってことだけです」よね(人生の黄金律 : 人を大事にできるのは、自分が大事にされた分だけ Erich Fromm (1956) The Art of Loving, p37)。私は、カウンセリングでも、遊びでも、≪陽気で楽しい≫playful を一番大事にしてんですね。そうすると、子どもはすぐに気づきますね。だって、大事にされているのかどうか=自分が肯定されているのかどうか、のアンテナがとっても高いからですよね。プレイフルな関わりは、子どもを肯定する関わりです。

 今日からあなたも「プレイフルな関わり」をプレゼントする人になりませんか?

 特に「正しいこと」を教えることにご熱心な、あなた‼ 

 まずは、自分自身を、ご大切にね。

 

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