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エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

遠くなっちゃった神様

2015-03-30 08:18:56 | アイデンティティの根源

 

 ルターが出る前に、カトリックはすでに凋落していた、と言えるのかもしれませんね。

 Young Man Luther 『青年ルター』p190の第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 オッカムは、少なくとも、オッカム主義は、横の関係から、縦の関係を切り離しました。縦の関係を、いろんな横の関係と並べた、と言ってもいいのかもわかりません。神とか、魂とか、精神とかいうことは、この世の人とは関わりのないもの、と見なされるようになりました。神は、確かめることなどできないし、私どもが「考える」ことができる一般論の根っこにもなりません。

 

 

 

 

 神様は、オッカム(主義)においては、日常生活とは何の関係もないもの、とおいそんざいになっちゃった、という訳です。こういう場合の神様は、教会堂に行く時だけ、時々思い出すものなんでしょう。

 残念‼

 

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人は三位一体です

2015-03-30 03:32:13 | エリクソンの発達臨床心理

 

 セラピーは全人格的。生半可な知識では太刀打ちできません。

 The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成版、p25の下から8行目途中から。

 

 

 

 

生育歴の上の経験や自分史的な経験に基づくときは、ですから、ひとつの仮定から始めてもいいと私は思います。その仮定とは、人間が生きているということはいつも、相補的であるべき、3つのまとまりの仕方次第だ、ということです。順不同ですが、1つは生物的な過程です。それは、ひとつの身体を構成している器官が、序列的に組織することです(ソマ soma 身体)。もう1つは、心理的過程です。それは、自我が自分の経験にまとまりをつけるものです(サイキ psyche 魂)。もう1つは、分かち合う過程です。それは、人々がお互いさまでいることを文化的に組織することです(エートス ethos 倫理)。

 

 

 

 

 人を見る3つの視点です。ですから、心理社会的なものの見方は、人を単独では見なくなります。人は、人との繋がり、身体との繋がり、魂との繋がりの中で見ようとします。

 人は三位一体みたい。

 

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弱さの強さ

2015-03-30 01:46:42 | エリクソンの発達臨床心理

 

 これは、パウロの書簡「コリントの信徒への手紙 二」の第十二章10節「それゆえ、私は弱さ、侮辱、窮乏、迫害、そして行きづまりの状態にあっても、キリストのために満足しています。なぜなら、わたしは弱いときにこそ強いからです」の中にある言葉です。その直前の9節にも「主は『私の恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ』と言われました」との言葉があり、パウロが祈りの中で、神から直接聞いた言葉が紹介されています。

 世の中の常識からすれば、「強さ」や「豊かさ」や「健康」が良い、と考えるでしょう。そのために、普通、人は、普段の仕事や学びをしている場合がほとんどでしょう。ですから、このパウロの言葉は、非常識です。病で苦しんでいたパウロがその病からの回復を願って祈ったのに、神は9節でその答えを示して、「病気は治りません。その病気を通して、強さが表れる」と言うのですからね。言われた方も、常識や通念に囚われていたら、がっかりして絶望するのが落ちでしょう。でも、パウロは違いました。10節にあるような心境になったというんですからね。これは強がりでしょうか?あるいは、宗教家の特別な境地なんでしょうか?

 最近、河合隼雄の古典『心理療法論考』を読み直していたら、このパウロの言葉に相通じる言葉に出合いました。それは9章「心理療法における「受容」と「対決」」の最後の件です(最新版では、10章)。

 「一般に対決と言う場合、自分の長所を利用して他と対決しようとするものだが、我々治療者は自分の弱点を通じて対決させられることが多い。我々は自分の弱点で勝負するのである。」

 何故なんでしょうか?

 人と人の深いつながりは、「弱さ」を介して繋がるもの、

 本当の勝負(対決)は、「もうダメだ」という行き詰まりの先にあるもの、 

だからだ、と私は考えますね。

 

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