脳脊髄液減少症患者のつぶやき、「とりあえず、生きてみよか・・・。」

過去から現在へ、脳脊髄液減少症、体験克服記。

ろれつがまわらない

2007年01月05日 | 症状の説明
きょうはいい天気でした。

しかし、体調はあまりよくありません。
でも昨日より呼吸も楽です。

きのうはろれつがまわらず「酔っ払い状態」でした。
お正月気分でお酒を飲みすぎているわけではありません。

これも「脳脊髄液減少症」の症状のひとつなのです。
(まだ、漏れている?のかもしれません。
舌がまわらず、まるで酔っ払った時のような
話し方になってしまうのです。

お酒も飲んでいないのに
舌足らずな、ふざけているような、レロレロ状態の話し方になればこの病気を知らない人からみたら
「変な人」と見られてしまうことでしょう。

以前にもろれつが回らずレロレロ状態になったことがあります。
「ろれつがまわらない。」という症状を「家庭の医学」などで調べると
「脳疾患の疑いあり、医療機関に急げ!」とか書いてあります。

しかし、脳外科や神経内科を受診しても
MRIやCTを撮っても、脳の血管を調べてみても
どんな検査しても「異常なし」と言われます。

受診の時に医師に
「ろれつが回らないんです。」と言っても
「あなた、今きちんとしゃべっているじゃない。」と言われます。

それはそうです。
病院受診できるような時は
比較的体調がいいときですから・・・・。

病院に行けるぐらいの時には、
ろれつがまわらない症状も治まっているのです。

今までの脳疾患の概念では
出たり消えたりする症状は
一過性のものか、大きな梗塞の前兆としか考えられないため、
検査で脳血管などに異常が見つからなければ、
「異常なし」と放りだされます。

まさか、脳脊髄液が漏れて、
一過性の半身マヒやろれつがまわらないなどの、
脳神経症状が出ているなんて
当時だれも考えませんでしたから・・・
(現在も当時のままのお考えの医師が多いようですが・・・)

当時、一人で受診できた時でも、
具合の悪い時やろれつの回らないような時は、
とても一人では病院までたどりつけませんでしたから、
ある程度最悪の状態が去った時に受診することになります。

病院に行けるくらい元気な時は
苦しい症状が治まっているので、
よけい外見も健康そうに見え、
よけいに検査にも異常が出ずらいのかもしれません。

当時「脳脊髄液減少症」の概念がなくても
動悸などの症状は心電図に異常が表れてもよさそうなのですが、
いつも、苦しさが治まってから病院に行くせいか
「異常」を指摘されたことがありませんでした。

脳脊髄液減少症の悪化で、自力で外出さえできなくなってみて
「本当に具合の悪い人は、自力で病院にさえ行けないこと」に気づきました。

まして、周囲に協力者がいなければ、倒れこんでいることしか
できないでしょう。

たとえ、誰かが、救急車で運んでくれたとしても
「異常なし」と返されるのがオチです。

余談ですが・・・
このごろ、スタスタ歩いて、
一人で病院にきている人たちをみると
「元気だなぁ」と思ってしまいます。

脳脊髄液減少症の
「体を起こしていられない」という恐ろしい症状を体験して以来、

病院に自力で来れる人や、
社会に病気だと認められ、手厚い医療を受けている患者さんは、
どんな重病や不治の病を抱えていたとしても、
私には、「うらやましく、元気な人」に見えてしまいます。

「ろれつがまわらない。」という、本人にとって大変つらい症状。
無理解な医師や第3者から見たら、
命にかかわることでなければ、どうでもいい症状。

でも、
もし、「アナウンサー」とか「舞台俳優」とか、
「落語家」とか、
言葉を話すことをお仕事にしている人々が、

体調不良の原因が、実は「脳脊髄液減少症」で
検査しても「異常なし」で
病名もつかない「ろれつが回らない症状」に襲われたら

どうなるのでしょうか?

考えただけで、恐ろしいです。

ろれつが回らないことに加えて、
文章が読めない、理解できない症状や記憶障害が加わるわけですから・・・

たぶん、お仕事を続けることは難しかったことでしょう。

きっと過去に、こういった症状で思うようにお仕事ができず
評価されず、切り捨てられ、
無念の思いをされた多くの方がいたはずです。

もしかしたら、今も、その症状の本当の原因に気づかないまま、
自分を責め続けているかもしれません。

もしかしたら、脳疾患や神経疾患に誤診されて、
見当違いの薬を大量に処方されて、
治らないどころか、よけい変になっているかもしれません。

発見されにくく、誤解されやすく、じわじわと人の人生を蝕む、
本当に恐ろしい病気です。

ちなみに、昨日は家族と出かけたついでに
薬局で、飲む点滴「経口補水液」を買って、
2本1リットルを一気飲みし、助手席を倒して休んでいると
しばらくして、呼吸も楽になり、心臓の圧迫感も和らぎました。

気づくと、ろれつが回らなかった話し方も
普通に近くなっていました。

詳しい作用機序はわかりませんが、事実です。

家族も「ずいぶん言葉がでるようになった。」といったので
決して、プラシーボ効果ではありません。

水分を飲んですぐ頻尿にならなければ、
けっこう苦しい症状は回復すると、今までも体験から学んでいます。
より、吸収のいい水分
頻尿にならず体にとどまる水分が効く感じがします。

どんな医学知識も
元は人の経験の蓄積だと思います。

フグのどこに毒があるのか、
どのキノコが毒で、どれが食用になるのか?などの知識は、
犠牲者や、食べた人の体験の蓄積なのではないでしょうか?

この症状にこういう治療法は効いた、あるいは効かなかった、
効くが予後が悪かったなどなど、

医師や関係者は、既存の医学書の知識だけ信じるのではなく、
もっと「生きた人間のさまざまな実体験」に
まずは真摯に耳を傾けてほしいと思います。

そして、今後の治療法のヒントにしてもらいたいと願っています。

少なくとも、私の体験では
症状がではじめたきっかけである交通事故と
長引く多くの恐ろしい症状の出現は
まぎれもなく、因果関係があると断言できます。

そして、ブラッドパッチ治療と、
水分摂取と、横になることで
楽になったことも事実です。

けっして「気のせい」でも、「思いこみ」でもありません。

いくら反対派の先生方が、そんなことがあるはずがないといってみても
事実なのです。

交通事故を体験した患者の話より、
交通事故体験もしていない医師の話が正しいとはとうてい思えません。

いくら権威ある医師であっても、自身に「体験がない」なら、
たとえ医学知識がない事故被害者や患者の話であっても、
被害者、患者の「体験談」を、もっと真剣に聞くべきです。

否定派医師の先生方も交通事故に遭って
この症状の出現を体験してみれば、
すぐ、この因果関係に気がつくはずです。

「絶対違う、ありえない。」というのなら、
身をもって証明していただきたい位です。

長年苦しみぬいた人間の体験から学んだ事実を
一刻も早く多くの医師にご理解いただき、
一刻も早く、多くの苦しむ人々を救うため
実際に行動していただきたいと思います。

大地震の時は、多くの救助を待つ人の存在を想像することができ、
社会全体で救援に動きだします。

しかし、
現在「脳脊髄液減少症」で苦しみながら、社会の救助を待つ多くの人々の存在は、
直接皆様の目には見えない上、社会の表面にもあまりでてこないため、
なかなか、気づいてもらえません。

でも、
大きな災害の時と同じ位の人数の人々が
まるで土砂に埋もれた遭難者のように、
社会の無理解に埋もれてうめき続け、助けを求めているはずです。

治療待ちや、長引く苦しみに、
力尽きて、消えてしまう命がこれ以上出ないためにも、

どうか一刻も早く、
人の温かな心ある皆様方の救援の手を、
私たち患者にさしのべていただきたく、
心よりお願い申し上げます。



コメント (24)
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