毎日新聞2011年12月10日
B型肝炎救済法が成立
集団予防接種の注射器使いまわしによるB型肝炎感染被害者を救済するための特別措置法が9日、参院本会議で可決、成立した。
来週にも公布され、その後1カ月以内に施工の見通し。
札幌、福岡など全国で争われてきた訴訟に加わっていなかった被害者も救済する内容で、
未発症者を含め、症状に応じ50万~3600万円が支払われる。
発症から20年以上経過した患者については、
肝がん、肝硬変は救済対象から外れている。
ウイルス感染と予防接種の因果関係や症状の認定のため、被害者はいったん裁判所に提訴する必要がある。
給付金請求の期限は5年間だが、請求状況に応じて期限を延長できる見直し規定も盛り込んだ。
国の推計で、被害者は最大45万人とされる。
小宮山洋子厚生労働相は9日午前の閣議後の記者会見で「患者やご家族に長い期間にわたり、
精神的、肉体的、経済的に大きな負担をかけたことに、あらためて心からおわび申し上げたい。」と述べた。
「差別ない救済を求めてきたのに」
全国原告団
B型肝炎感染者を救済する特別措置法の成立を受け、全国原告団が9日、厚生労働省で記者会見。
救済されない患者がいるとして、「より良い救済を求めていく。」と表明した。
特別措置法では、発症から20年以上経過した患者のうち、肝がん、肝硬変は対象外。
原告団の谷口三枝子代表(62)は「差別のない救済を、と訴えてきた。」と唇をかんだ。
以上、2011年12月10日づけ、
毎日新聞記事より。
なぜか、毎日新聞以外の記事は、肝心なこと(患者団体の見解)が書かれていなかった。
↓
B型肝炎救済法が成立、参院 厚労相「心からおわび」
集団予防接種の注射器使い回しによるB型肝炎感染被害者を救済するための特別措置法が9日、参院本会議で可決、成立した。来週にも公布され、その後1カ月以内に施行の見通し。
札幌、福岡など全国で争われてきた訴訟に加わっていなかった被害者も救済する内容で、未発症者を含め、症状に応じ50万~3600万円が支払われる。
小宮山洋子厚生労働相は9日午前の閣議後の記者会見で「患者やご家族に長い期間にわたり精神的、肉体的、経済的に大きな負担をかけたことに、あらためて心からおわび申し上げたい」と述べた。
(2011/12/09 13:25)
2011年12月2日の神戸新聞記事
B型肝炎救済法案が衆院通過 来週にも成立
集団予防接種の注射器使い回しが原因のB型肝炎被害者を救済するための特別措置法案が2日、衆院本会議で可決された。来週の参院本会議で可決、成立の見通し。
法案は1948~88年の間に7歳未満で、集団予防接種の注射器使い回しでウイルスに感染した人と母子感染した人に対し「死亡・肝がん・重度の肝硬変」に3600万円、「軽度の肝硬変」に2500万円などを支払う内容。未発症者にも50万円が支払われる。
訴訟に加わっていなかった被害者も含め、国は救済対象を最大45万人と推計、救済基金には当面5年間で1兆1千億円が必要と試算している。
(2011/12/02 17:39)
一見朗報、一歩前進のようなニュースの中にも、
患者側からみたら、そうでない場合もある。
患者の気持ちも記事にしてくださった毎日新聞記事は、
丁寧な記事に感じた。
脳脊髄液減少症患者にも、
ここ10年の最近の患者たちの訴訟の応援や、最近の患者の救済だけでなく、
過去の事故であったがために、
その因果関係の証明が難しいのは、
30年前の集団予防接種で、
B型肝炎に感染したと主張する人たちと同じくらいの困難さだ。
現在の状況では、
20年前、30年前の交通事故での脳脊髄液減少症患者は、
関心も持ってもらえず、
八方ふさがりの中で、誰にも注目されていない、
過去の交通事故被害者での脳脊髄液減少症患者の救済も、
なんとか国が救済してほしい。
経済的に弁護士さんに相談できる人、できない人、
裁判できる人、できない人、
裁判に協力的な熱心な家族がいる人、いない人、
裁判で勝訴する人、しない人、
裁判に頼らなくても、他の交渉機関中に入り、多額の補償が受けられた人、
1円も受けられ人、
相手の損害保険会社が、人の心ある損害保険会社だった場合とそうでない場合。
担当者が人間的だった場合とそうでない場合。
障害認定が適正にしてもらえた人、そうでなかった人。
障害年金がもらえている人、まったくもらえない人。
生活保護が受けられた人、受けられない人。
同じ脳脊髄液減少症患者であっても、
その患者の置かれた環境によって、
どんどん差が広がっていく。
それだけならまだしも、
本来なら、交通事故での発症から、病名判明まで、
長く苦しんだ患者こそが、真っ先に救われるべきなのに、
むしろ、長く苦しんだ患者が救済の後回しになってしまっているようにも感じる。
ここ10年未満の、最近の事故被害者での脳脊髄液減少症患者よりも先に、
20年も30年も脳脊髄液減少症を放置されてきた
何の罪もない事故被害者こそ、
真っ先に救ってほしい。
それにはどうしたらいいか、皆で知恵を出し合って
少し考えてほしい。
事故が昔であるがゆえに、
いくら長く苦しんできたと言ったところで、
誰にも信じてもらえず、
事故との因果関係が難しいことで、
同病の患者にさえ、
関心は薄いと感じる。
確かに裁判で、事故と脳脊髄液減少症との因果関係が認められれば、今後の事故直後に脳脊髄液減少症の診断がついた事故被害者には救済の道が開けるだろう。
しかし、
過去の事故被害者は、かやの外で関係のないことだ。
だって、事故との因果関係そのものを証明することが患者にとって非常に困難なのだから。
だから、このままでは正当に救済されることはないだろう。
しかも、
そのあまりにも理不尽な状況を訴えられる患者はごくわずかだ。
昔の交通事故であればあるほど、患者がどんどん高齢化して
声を上げる気力体力さえ、失ってしまうからだ。
きっとみんなは、昔の事故被害者が高齢化して、
何も言わなくなるのをひそかに待っているのかもしれない。
昔の事故なんだから、しかたないよ。
運がわるかったんだから、あきらめなよと。
命があっただけましなんだから、それだけでもよしとしなよ。と。
本人には責任のないことでB型肝炎に感染した被害者同様、
本人には何の責任のない交通事故で、脳脊髄液減少症になって、苦しんできた患者も、
差別なく、救ってもらえるような、
脳脊髄液減少症患者救済法を作ってほしい。