銀座のうぐいすから

幸せに暮らす為には、何をどうしたら良い?を追求するのがここの目的です。それも具体的な事実を通じ下世話な言葉を使って表し、

メット・オペラ(ニューヨーク)の当日券

2008-10-31 00:31:20 | Weblog
 さて、昨日、『オルセー美術館(パリ)で、独り食をして、懲りた』という話をしました。そこから、右へ行くか左へ行くか迷ったのです。右とはパリに執着すること。左とは、独り食の悲しみと言う話題に執着すること。

 それでね。ブログの皆様とはまだ、お付き合いが浅い。だから、楽しい事だけを書きたいのですが、人生とは楽あれば苦ありです。喜怒哀楽はあざなう縄のごとく、または、波みの打ち寄せて帰るがごとく、次々と現れるのです。
 でね、つらいことの連続で申し訳ございませんが、メトロポリタン・オペラでの独り食の悲しみに入って行きましょう。

 正しくはオペラハウス内の食堂ではありません。オペラハウス内には、三階にバーがあって、ワイン程度を、たしなむくらいです。ただグラスが細い。それが特徴ですね。物を食べるのは、玄関から外へ向かって、左翼の建物内の食堂です。

 実は1999年の滞在のときに、あと、1週間を残すのみになった時に、初めてオペラを見たいと思いました。版画の制作にのみ集中しておりました。私が滞在する場合、観光気分は全く無いのです。

 でも、せっかく、二ヶ月半が過ぎていて、時差を解消している時期ですから、オペラを楽しむ、理解度は高いはずです。これは、見逃す手は無いと思いました。

 ところが、日本人のお友達に相談をすると、「絶対に手に入らないわよ。無理よ。当日なんて」と皆さんが仰る。だけど、私はパリのバスティーユ・オペラ座での体験から、独りで行くなら、当日でも切符はあると、考えたのです。

 私が考えるのに、ああいうものを鑑賞するのは本当は独りがいいのです。熱中できます。そして、メット・オペラには、通らしいアメリカ人の一人客もいます。でもね、たいていはカップルで来る。そして、親子ずれだったりすると、三人だったり五人だったりします。また、遠方から来た観光客の一団だったら、それこそ、七人だったり、九人だったりする可能性もあるでしょう。

 そうすると、右通路から入れていく。また、最初期に申し込んだお客の「中心が良い」などというお好みに合わせて入れていく。・・・・・ことになり、ところどころで、一つだけ、味噌っかすが出来てしまうのです。それが、随分と良い場所だったのがバスティーユの経験で、それ以来、この経験は繰り返されます。

 ただ、初めて行く場合は、ニューヨークの夜は(経験上こわくて)嫌だったので、土曜日のマチネーを狙いました。すると、切符売り場に、大変上品なご夫婦が、予約チケットを受け取りに来ていたのです。

 私の英語は米語ですが、学校で習った英語だから、スラングは含まれておりません。だから、たいていの場合はちゃんと、尊敬をされて、丁寧な扱いを受けます。たとえ、ジーンズでもですが、

 さすがにその日は、ウールのパンツに黒のセーター、母から貰った、ブランド物のウールのマフラー(私は絹よりもウールのマフラーの方が、セーターにはなじみ易い感じがして好きなのです)を、腰に三角形に巻きつけた、ちょっと、ジプシー風なスタイルです。

 痩せているので、腰がない。それを、三角形に折った、茶色地に、赤を中心に複雑な色使いでベーズリー模様がプリントされた、renomaのスカーフで、補填をします。髪はマッシュルーム。親切な友達は、「あなたの、ちょっと崩したおしゃれは素敵よ」と言ってくださるが、お金がないから、持っているもので工夫をするだけです。でも、50台ですと、冒険も利きます。

 ところで、左側に置いてある自己紹介用の、今の私の写真に比べれば、10年前ですから、もっと太っていて、より中年風です。より若いといいたいのですが、あ、は、は。それは日本人を相手では、駄目でしょう。外人ならお愛想で、若い、若いといってもらえますが、ふ、ふ、ふ。

 左の写真は、やせ細っていて、しかも本作りに疲れきっているときに撮ったものです。ただ、それを、変えないのは、背景が気に入っているし、きている洋服が自分で作ったものであり、それも気に入っているからなのですが・・・・・

 でね、非常にハイソな奥様から、大変親切な案内を受けて、当日券が手に入ったのです。
 しかし、お話はこれでは終わらない。この後、三、四回連続して、ニューヨークでの独り食の惨めさを話すことになるでしょう。お待ちください。今日の昼間は、自分の五冊目の本を、しかるべきところへ配達するという重労働を果たして、今、午前零時過ぎに帰ってきたばかりです。疲労困憊。今日は、ここまでで、以下は明日へ続くとさせてくださいませ。  2008年10月31日         川崎 千恵子
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