銀座のうぐいすから

幸せに暮らす為には、何をどうしたら良い?を追求するのがここの目的です。それも具体的な事実を通じ下世話な言葉を使って表し、

「圧倒されたその人生、劇画家、さいとう・たかお」

2008-10-02 22:16:28 | Weblog
 2008年の7月、13日の深夜、珍しく、バックグラウンドミュージックとしてNHKの総合一チャンネルをつけていたのです。そして、それに背を向けて、パソコンをやっておりました。

 すると、後ろから、大変悟った、賢い男性の吐露が、聞こえる。言葉の一つ、ひとつが、衝撃を与える言葉です。たとえば、ずっと、何十年もペンばかり持っていたので、握力が全くなくなってしまった。とか。

 子どもの頃、大阪に住んでいて、府の金賞を自分の絵が取ったのに、お母さんがかまどで、それを焼いてしまったとか。どうして、一足す一が二になるのかを、誰も教えてくれないので、勉強がわからなくなったとか。

 お兄さんを大学へやるために、床屋さんになるように、母から決められてしまう。とか。勉強がわからないので、いたずらがきばかりやっていたら、大変しかられたが、戦後、すべて、教科書に墨で削除を入れる事になったので、

 それに、ある種の感動を覚えて「あ、今度は、教科書にいたずら描きをしていいんですね」といって、先生にすごくしかられるとか、強い子なのに、お父さんがいないせいか、それから、変わり者だと先生からにくまれているせいか、同級生から、いじめられることとか。

 事実としてはどぎつい事の連続なのに、声が本当に静かで、宗教家のことばのように感じられるのです。

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 番組の構成の仕方も良かったし、緊迫感が、あって、すごいドラマを見たような気がしました。それでね。これから、オンデマンド包装が始まるので、それを、ご覧になることをおせっかいながらお勧めします。ご本人も、番組の制作姿勢もすばらしい。

 一部分、『泥の河』みたいなところがあるので、ゴールデンタイムは無理かもしれないが、そういう、ちょっと、子供向けではないかもしれない、部分を過保護にしないで、これを、こどもに見せても、こどもは理解できるでしょう。

 このさいとうたかおという人の作品は、ゴルゴ13というコミックで、私は、ちらっとしかみたことがないのです。コミックは、ガラスの仮面を数巻。読んだだけで終わっています。ちょっと世代が違うので、読むのがつらいのです。でも、今の若い人の中で、バンドと、アニメか、コミックの世界に入る人が、一番エネルギッシュなんでしょうね。さいとうさんはそのはしりですね。

最後に、ご本人から、ご自分の今の落ち着きの秘密がもたらされました。

 それは、お父さんが、自分と同じく、芸術というか、絵が好きな人で、それゆえ、家庭を顧みなかったそうです。それが、お母さんのトラウマになっていて、それが、子ども時代のさいとう・たかおさんを縛り付ける、新たなトラウマ(絶対に絵の道に進んではだめだといわれ続け、絵を描く事に罪悪感を抱き続けた)になっていったのです。

が、それを、今は、克服なさって、絵を描くのが楽になったそうです。

    2008年7月13日、書きましたが、アップロードは、10月2日

                   川崎 千恵子
コメント
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