新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

デング熱:最初に診断した医師がすごいと思う

2014-09-03 22:18:32 | 医療

こんばんは

 

今日は夏休み明けから研究を進められるように、いろいろ準備をしておりました。臨床の相談もいろいろきていましたが。

 

さて、デング熱の感染が拡大していますよね。

<デング熱>新たに4都道県の12人 感染48人に

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140903-00000067-mai-soci

毎日新聞 9月3日(水)19時18分配信

 厚生労働省などは3日、新たに北海道や千葉県など4都道県の計12人について、デング熱の感染が確認されたと発表した。いずれも最近の海外渡航歴はなく、8月に東京都立代々木公園(渋谷区)や周辺を訪れた点が共通しており公園の蚊が媒介したとみられる。国内の感染者はこれで11都道府県の計48人になった。

【“感染エリアは限定。過度に恐れないで”】

 厚労省などによると、12人は10~70代の男女で、居住別の内訳は東京都9人▽北海道、千葉、山梨県各1人。重症者はなく、入院中の患者もいるが全員快方に向かっているという。

 北海道の患者は40代の女性で、8月22日に代々木公園に隣接する明治神宮で蚊に刺され、29日に発熱や頭痛を発症した。北海道で感染者が確認されたのは初めて。千葉県は70代の男性で、8月に数日間、同公園内で土木作業を行い、24日に発症した。

 また、岡山県倉敷市が2日に「感染の疑いがある」と発表した東京都在住で帰省先の倉敷市で受診した20代の男性も、国立感染症研究所の検査で感染が確認された。【桐野耕一】

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まず、表題にも書きましたが「よく診断したな」と・・・。最初に診断した医師が本当にすごいと思います。

 

ニュースになってからは逆に「疑うこと」ができるわけですが・・・。

 

診断をつけるというのは「疑い」を持たなくては話が進みません。問診や診察などで診断確率を上げて、そして検査をするわけです。そうでなくても例えば「インフルエンザ」が流行する時期、流行している地区であれば当然考えます。

そうすると「有病率(病気の患者さんがいる割合)」が高いので、発熱があるだけでもインフルエンザの簡易キットを持ち出したりするわけですね。

診察が最も重要:検査は所詮検査でしかない・・・

内科医は不要?:ベイツの定理と診断確信度

 

今回のデング熱、ニュースにならなくても普通の医師は「東南アジア」を中心に蚊が媒介するウイルス疾患ということは知っているわけです。東南アジアなどに旅行に行ったなど、感染する可能性を考える必要があればやはり検査できると思います。

 

今回は日本国内ですからね。多分、最初のあたりで可能性を外していると思います。有病率としては最初から限りなく0に近いわけです。それをひっくり返して「検査」を出したこと。それが素晴らしいと思います。

 

僕は多分診断できなかっただろうなぁと思いました。

 

ただ、そういう意味では最初に診断され、ニュースになる前に何名か患者さんがいてもおかしくはないと思っています。デング出血熱とか重症型であれば、どこかで気がつかれたでしょうけど、高熱がでても自然治癒する疾患であるため、何名かは見逃されているだろうなぁと思っているところです。

 

まぁ、だからと言って話を大きくする必要性はないだろうと思いますが・・・・。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また。

コメント (2)
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