ようこそ里山へ 茨城笠間・青葉って永遠

茨城県笠間市。観光と陶芸の町の知られざる宝。穏やかな里山と田園は心の原風景。庭と山川草木、体感する旬の言の葉たち。

再生の石あるところ花道なり

2011-08-26 06:15:31 | 茨城の復興・石の現場から
 今日は、震災復興、石の再生の事例をお伝えします。
瓦礫になるか、花になるか。
歴代陶芸作家さんの情熱のしみこんだ煉瓦に、再び花が咲きますように。

********************

 一瞬にしてすべてを変えた震災。
しかし、復興は一歩づつ。
どなたも、そのように感じながら、今日を励んでいることと思います。

画像は、笠間焼ギャラリーさんの花壇の片隅です。
陶芸家さんが実際に窯で使われていた、思い入れ深い耐火煉瓦です。
手前右は、プランターの台、後方は、ベンチや花壇など、煉瓦と大谷石を組み合わせて再生した様子です。

 大谷石は、古いままでも味わいがあります。
また、カップと称する石工具で、一瞬にして新品同様にクリーンにすることも出来ます。
そのさじ加減はさまざま、少しだけカップでこすり、ほどほどの風合いに仕上げることもできます。
今回は、味のある煉瓦との対比を楽しむべく、あえてシャープな加工にしました。

長年使用した耐火煉瓦というものは、世に二つと無い、それぞれに炎の祭りの記録があると感じます。
そして、石と煉瓦とは、お互いにとても相性が良い。
石が構造を受け持ち、炎の祭りが興を添えて、憩いの場づくりに。
ささやかな再生のこの一コマ、笠間の先輩方に、少しは恩返しができたでしょうか。

 瓦礫には、長年の愛がたっぷりしみこんでいます。
暮らしや仕事の一部であり、日々の活動をささえていた尊い石や煉瓦。
未曾有の揺れに、一瞬にして崩れましたが、なんとか生かしたいのが人情でしょう。

ちなみに、この煉瓦は、カナダ出身の陶芸家、ランディ・ウージィさんの窯で使われていたものです。
師匠の中野晃嗣さんが使用していたものを、独立時に譲り受けたものとか。
中野さんのお名前は、笠間の陶芸作家さんの草分けの方として、生前のご活躍も伺っておりました。

 作家二代の陶芸にかける思い、芸術への志がしみこんだ煉瓦は、これからは、花とともに歩みます。
ランディさんは今、破損が軽微な煉瓦も再利用しながら、窯を復興中。
再生メニューに応じて頂いた、こちらのギャラリー店主さんは、草花への思いが深められたとか。
有難いお話です。

こちらのお店は、笠間芸術の森公園に続くギャラリーロードに面しています。
さまざまな陶芸ギャラリーやカフェが彩りも豊かに、これからも注目していきたいスポットです。
お花や緑の風景を意識したお店づくりがさかんになれば、笠間の魅力も豊かになると感じます。
再生できるのはわずかでも、目の前にある資源を大切に、美しく生かす努力を続けたいものです。

 午後6時撮影、日が短くなってきました。
グリーンカーテン越しに、店内の灯もほんのりとしています。

ちなみにこちらは、塀の部材の形そのままの鉢台です。
どんな草花が似合うでしょうか。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿