ヘブル人への手紙11:1〜16
この聖書の箇所は、危機的な状況に生きるキリスト者に、信仰についてもう一度はっきりと教えています。
1, 信仰の本質(1〜3節)
(1) 信仰とは待ち望んでいるものに対し、必ずそれを得ると確信して疑わないことです。 人間の経験においてはまだ未来の事柄を、いま現実のものとして生きること。また、信仰は「保証」であると言われ、信仰が「神のみことば」という確かな土台、基盤をもつものであると示しています。
(2) 信仰は空間の枠を越えて目に見えないものを透視する、つまり目に見えない世界の深みを悟らせる。この感覚の世界に目を奪われずに、神の世界、真実の世界をはっきり透視しつつ生きるように勧められています。旧約時代の信仰者は、このような信仰に生きたので、神に喜ばれ、認められました。
・信仰が「目に見えないものを確信させる」ことの例として、神様による世界創造が挙げられています。
・「この世界が神のことばにで造られた」ことは、無よりの創造という聖書の信仰のことを言っています。
・「世界」は、空間と時間の両面をもった世界を意味しています。このことは信仰者たちの活動の舞台となる歴史も含まれています。世界を創造された神は、歴史をその主権のもとに置かれ、ご自身の目的と約束を必ず成就されるのです。
2, アブラハム以前の3人の足跡(4-7節)
(1) アベル 神の賞賛と承認を受けた最初の人物。
・アベルは、羊をほふり、血のいけにえをささげた。
・きよい心をもってささげられた誠実なささげ物だった。
神は、ささげ物の内容や質ばかりでなく、ささげる人の心を見ておられます。
(2) エノク その生涯を「神とともに歩んだ」(創5:22)そのことが「神に喜ばれ」た。神とともに歩む生活を通して、生きた神が実際に存在しており、人間に対して心を用い、日々の生活にかかわっておられることをあかししたのです。
(3) ノア 神の言葉をそのまま信じ、神の命令をそのまま受け入れた。信仰の目によって「まだ見ていない事がら」に気付き、神が見るように歴史の成り行きを見ることができた。また、神のことばに従うことによって、「家族の救い」、「世の罪を定め」(同胞へのあかし)、「信仰による義を相続する」という三つのことを達成しました。
3, 信仰の父アブラハムとその家族(8-12節)
「信仰の父」と呼ばれるアブラハムの信仰において例証されている5つの特色。
(1) 従順な信仰。神様への揺るぎない信頼を持っていたので、信じ受け入れ従った。
(2) 犠牲をいとわない信仰。生まれ故郷の安定した生活を離れ、全く知らない地に向けて、いっさいの犠牲をいとわず、主の道に進んでいった。
(3) 勇敢な信仰。「どこに行くのかを知らないで出て行きました」、カナンの地に着くまでの旅は、まさに危険をはらんだ旅でした。
(4) 忍耐の信仰。「同じ約束をともに相続するイサクやヤコブと共に天幕生活」をした。
(5) 不可能を信じる信仰。サラをに子を宿す力が与えられたことは、神の恵みと力への信仰であり、人間的には不可能と思えることが可能になった信仰です。信仰とは、私たちの弱いところに働く神の力に頼り、人知を越えた神のわざを期待することです。
4, 神の都を目ざす者(13-16節)
旧約時代の父祖たちに共通した信仰の特色。
(1) 神の約束に対する確信。 旧約時代の人たちは、真実な神の約束を確信して生き続けました。そして、死に際しても、死は生涯を共に歩んだ神の御前により近づくことであると考えていました。
(2) 地上では旅人、寄留者。 旧約の父祖達は、この地上の生活は永遠に向かう旅であり、自分たちの国籍と地位は天にあると知っていました。
(3) すべてを神の光のもとに。 信仰者は、神が造られた世界に関心を持ちながらも、「さらにすぐれた故郷」にあこがれているので、すべてが不確実のこの世にあって、真実なこと、誉れあること、正しいこと、きよいこと、愛すべきことが本当に何であるかを見分けながら、着実に生きていけるのです。
鈴川キリスト教会牧師
川崎 廣
「信仰とは」
この聖書の箇所は、危機的な状況に生きるキリスト者に、信仰についてもう一度はっきりと教えています。
1, 信仰の本質(1〜3節)
(1) 信仰とは待ち望んでいるものに対し、必ずそれを得ると確信して疑わないことです。 人間の経験においてはまだ未来の事柄を、いま現実のものとして生きること。また、信仰は「保証」であると言われ、信仰が「神のみことば」という確かな土台、基盤をもつものであると示しています。
(2) 信仰は空間の枠を越えて目に見えないものを透視する、つまり目に見えない世界の深みを悟らせる。この感覚の世界に目を奪われずに、神の世界、真実の世界をはっきり透視しつつ生きるように勧められています。旧約時代の信仰者は、このような信仰に生きたので、神に喜ばれ、認められました。
・信仰が「目に見えないものを確信させる」ことの例として、神様による世界創造が挙げられています。
・「この世界が神のことばにで造られた」ことは、無よりの創造という聖書の信仰のことを言っています。
・「世界」は、空間と時間の両面をもった世界を意味しています。このことは信仰者たちの活動の舞台となる歴史も含まれています。世界を創造された神は、歴史をその主権のもとに置かれ、ご自身の目的と約束を必ず成就されるのです。
2, アブラハム以前の3人の足跡(4-7節)
(1) アベル 神の賞賛と承認を受けた最初の人物。
・アベルは、羊をほふり、血のいけにえをささげた。
・きよい心をもってささげられた誠実なささげ物だった。
神は、ささげ物の内容や質ばかりでなく、ささげる人の心を見ておられます。
(2) エノク その生涯を「神とともに歩んだ」(創5:22)そのことが「神に喜ばれ」た。神とともに歩む生活を通して、生きた神が実際に存在しており、人間に対して心を用い、日々の生活にかかわっておられることをあかししたのです。
(3) ノア 神の言葉をそのまま信じ、神の命令をそのまま受け入れた。信仰の目によって「まだ見ていない事がら」に気付き、神が見るように歴史の成り行きを見ることができた。また、神のことばに従うことによって、「家族の救い」、「世の罪を定め」(同胞へのあかし)、「信仰による義を相続する」という三つのことを達成しました。
3, 信仰の父アブラハムとその家族(8-12節)
「信仰の父」と呼ばれるアブラハムの信仰において例証されている5つの特色。
(1) 従順な信仰。神様への揺るぎない信頼を持っていたので、信じ受け入れ従った。
(2) 犠牲をいとわない信仰。生まれ故郷の安定した生活を離れ、全く知らない地に向けて、いっさいの犠牲をいとわず、主の道に進んでいった。
(3) 勇敢な信仰。「どこに行くのかを知らないで出て行きました」、カナンの地に着くまでの旅は、まさに危険をはらんだ旅でした。
(4) 忍耐の信仰。「同じ約束をともに相続するイサクやヤコブと共に天幕生活」をした。
(5) 不可能を信じる信仰。サラをに子を宿す力が与えられたことは、神の恵みと力への信仰であり、人間的には不可能と思えることが可能になった信仰です。信仰とは、私たちの弱いところに働く神の力に頼り、人知を越えた神のわざを期待することです。
4, 神の都を目ざす者(13-16節)
旧約時代の父祖たちに共通した信仰の特色。
(1) 神の約束に対する確信。 旧約時代の人たちは、真実な神の約束を確信して生き続けました。そして、死に際しても、死は生涯を共に歩んだ神の御前により近づくことであると考えていました。
(2) 地上では旅人、寄留者。 旧約の父祖達は、この地上の生活は永遠に向かう旅であり、自分たちの国籍と地位は天にあると知っていました。
(3) すべてを神の光のもとに。 信仰者は、神が造られた世界に関心を持ちながらも、「さらにすぐれた故郷」にあこがれているので、すべてが不確実のこの世にあって、真実なこと、誉れあること、正しいこと、きよいこと、愛すべきことが本当に何であるかを見分けながら、着実に生きていけるのです。