宗教法人 鈴川キリスト教会

わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。

2023年 10月 15日礼拝メッセージ要旨

2023年10月15日 | 礼拝メッセージ
ヘブル人への手紙11:17〜40
「信仰の歩み」

鈴川キリスト教会牧師

川崎 廣

 この聖書の箇所は、困難な時代、厳しい状況を生き抜く信仰について旧約時代の先人達の歩みを通して教えています。

1, 死をも乗り越える信仰(17〜22節)
 アブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフの歩みを通して困難な時を生き抜いた信仰が語られています。
(1) よみがえりを信じるアブラハム(17-19)
アブラハムが息子イサクをささげるように、神様から命令を受けた、厳しい試練に直面した状況が取り上げられています。
・自分のただひとりの子をささげなければならない。
・神の約束の子をいけにえとしてささげよと言われた。
・命を取れという命令でした。
アブラハムは神様の言葉をそのまま受け取り、最後まで神様に服従しました。
「神には人をよみがえらせることもできる」(19)と言う信仰でした。
(2) 死のかなたを見つめるイサク、ヤコブ、ヨセフ(20-22)
・信仰によって、イサクは未来のことについて、ヤコブとエサウを祝福した。
・ヤコブは死ぬとき、子どもたちをひとりひとり祝福した。
・ヨセフは、臨終のとき、イスラエルの子孫の脱出を語り、自分の骨について指図しました。エジプトが自分にとって寄留地にすぎず、ひたすら神の約束を仰ぎ望んだのです。
彼らは、約束の地に入る、大いなる国民になるという神の約束が必ず実現するものと信じて疑わなかったのです。
2, 出エジプトの信仰―モーセと信仰のイスラエル(23-29節)
(1) 信仰は恐れを征服する 彼らは王の命令を恐れませんでした。
・モーセの両親は、信仰によって王の命令を恐れず、三ヶ月の間モーセを隠しておいた。
(2) 信仰は選択を左右する 信仰によって、モーセは成人したとき、神の民とともに苦しむことを選びとりました。
(3) 信仰は目に見えない方を見る。 「信仰によって、彼は、王の怒りを恐れないで、エジプトを立ち去りました。目に見えない方を見るようにして、忍び通したからです。」(27)モーセは神を個人的に知り、神と非常に親密な関係を持っていました。
(4) 信仰は神のことばを聞き分けさせる。神の命令に従い、かもいと門柱にいけにえの血が塗られている家は過ぎ越すと約束され、その夜、イスラエル人の戸口にはみな羊のいけにえの血が塗られました。
(5) 信仰は奇跡を生む。イスラエルの民は、信仰によって神の前進命令を受け入れ、不可能なことをやり遂げました。
3, 現状を乗り越える信仰(30-31節)
(1) エリコ陥落。信仰によって、エリコを陥落できた。
(2) ラハブによる救い。エリコを探る斥候をラハブが自分の家にかくまってくれた。
4, 信仰の多様性と無名の勇士たち(32-40節)
(1) 信仰者にはいろいろなタイプがある。 現実の信仰の表れ方は多種多様です。
(2) 多くの名の知れない信仰の戦士たちもいました。

今、私たちが信仰を持つことができるのは、過去の信仰者達が多くの犠牲を払いながらも信仰を保ったからです。


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2023年 10月 1日礼拝メッセージ要旨

2023年10月01日 | 礼拝メッセージ
ヘブル人への手紙11:1〜16
鈴川キリスト教会牧師

川崎 廣

「信仰とは」

この聖書の箇所は、危機的な状況に生きるキリスト者に、信仰についてもう一度はっきりと教えています。
1, 信仰の本質(1〜3節)
(1) 信仰とは待ち望んでいるものに対し、必ずそれを得ると確信して疑わないことです。 人間の経験においてはまだ未来の事柄を、いま現実のものとして生きること。また、信仰は「保証」であると言われ、信仰が「神のみことば」という確かな土台、基盤をもつものであると示しています。
(2) 信仰は空間の枠を越えて目に見えないものを透視する、つまり目に見えない世界の深みを悟らせる。この感覚の世界に目を奪われずに、神の世界、真実の世界をはっきり透視しつつ生きるように勧められています。旧約時代の信仰者は、このような信仰に生きたので、神に喜ばれ、認められました。
・信仰が「目に見えないものを確信させる」ことの例として、神様による世界創造が挙げられています。
・「この世界が神のことばにで造られた」ことは、無よりの創造という聖書の信仰のことを言っています。
・「世界」は、空間と時間の両面をもった世界を意味しています。このことは信仰者たちの活動の舞台となる歴史も含まれています。世界を創造された神は、歴史をその主権のもとに置かれ、ご自身の目的と約束を必ず成就されるのです。
2, アブラハム以前の3人の足跡(4-7節)
(1) アベル 神の賞賛と承認を受けた最初の人物。
・アベルは、羊をほふり、血のいけにえをささげた。
・きよい心をもってささげられた誠実なささげ物だった。
神は、ささげ物の内容や質ばかりでなく、ささげる人の心を見ておられます。
(2) エノク その生涯を「神とともに歩んだ」(創5:22)そのことが「神に喜ばれ」た。神とともに歩む生活を通して、生きた神が実際に存在しており、人間に対して心を用い、日々の生活にかかわっておられることをあかししたのです。
(3) ノア 神の言葉をそのまま信じ、神の命令をそのまま受け入れた。信仰の目によって「まだ見ていない事がら」に気付き、神が見るように歴史の成り行きを見ることができた。また、神のことばに従うことによって、「家族の救い」、「世の罪を定め」(同胞へのあかし)、「信仰による義を相続する」という三つのことを達成しました。
3, 信仰の父アブラハムとその家族(8-12節)
「信仰の父」と呼ばれるアブラハムの信仰において例証されている5つの特色。
(1) 従順な信仰。神様への揺るぎない信頼を持っていたので、信じ受け入れ従った。
(2) 犠牲をいとわない信仰。生まれ故郷の安定した生活を離れ、全く知らない地に向けて、いっさいの犠牲をいとわず、主の道に進んでいった。
(3) 勇敢な信仰。「どこに行くのかを知らないで出て行きました」、カナンの地に着くまでの旅は、まさに危険をはらんだ旅でした。
(4) 忍耐の信仰。「同じ約束をともに相続するイサクやヤコブと共に天幕生活」をした。
(5) 不可能を信じる信仰。サラをに子を宿す力が与えられたことは、神の恵みと力への信仰であり、人間的には不可能と思えることが可能になった信仰です。信仰とは、私たちの弱いところに働く神の力に頼り、人知を越えた神のわざを期待することです。
4, 神の都を目ざす者(13-16節)
旧約時代の父祖たちに共通した信仰の特色。
(1) 神の約束に対する確信。 旧約時代の人たちは、真実な神の約束を確信して生き続けました。そして、死に際しても、死は生涯を共に歩んだ神の御前により近づくことであると考えていました。
(2) 地上では旅人、寄留者。 旧約の父祖達は、この地上の生活は永遠に向かう旅であり、自分たちの国籍と地位は天にあると知っていました。
(3) すべてを神の光のもとに。 信仰者は、神が造られた世界に関心を持ちながらも、「さらにすぐれた故郷」にあこがれているので、すべてが不確実のこの世にあって、真実なこと、誉れあること、正しいこと、きよいこと、愛すべきことが本当に何であるかを見分けながら、着実に生きていけるのです。


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