２０２３年７月 ９日礼拝メッセージ要旨

ヘブル人への手紙８：１〜１３

「新しい契約」

鈴川キリスト教会牧師

川崎　廣

　ヘブル人への手紙8章のテーマは、「新しい契約」です。新約時代に生きている私たちにとっては、非常に大切な基本的な教えです。
１， さらにすぐれた務め(1〜6節)
・大祭司の活動の場とその働きの性質について明らかにされている。
(1) キリストは主権と大能を帯びた勝利の主です。(8:1)

(2) キリストは、「人間によってではなく、主によって設けられた、まことの幕屋、聖所で仕え

　　ておられる。」（8:2）。

(3) 私たちの大祭司であるイエス様は、ご自分をいけにえとしてささげられました。

(4) 地上の幕屋は、「天にあるものの写しと影」です。天においても聖所があります。その聖所

　　は、地上の幕屋によって写しだされているのです。

(5) 大祭司であるイエス様は、よりすぐれた契約の仲介者です。

２，旧い契約に代わるもの（7-13節）
・「新しい契約」について語っているエレミヤのことば(エレミヤ31:31-34)を引用し、契約における新旧交代を明らかにしています。
・なぜ新しい契約が必要なのか。

(1) 旧い契約は不完全であった。(8:7)旧い契約はモーセ時代のシナイ契約で、祭司制度やいけ

　　にえの儀式、幕屋の規定などにもとづき、みな本体の影、写しにすぎなかった。

(2) 旧い契約は無力であった。旧い契約は人々に神の律法を守る力を与えることができなかっ

　　た。(8:9)

(3) 旧い契約が廃棄される時がきた。(8:13)
・新しい契約はどのようなものか。
(1) 真の和解をもたらす。(8:8)

(2) 守る力を与える。(8:10)新しい契約は、私たちの心の内側に刻まれたものであり、私たちの

　　内側に契約を守る力を与えて下さいます。

(3) すべての人に開かれている。(8:11)新しい契約は社会の断層を撤廃して、身分の高い者も低

　　い者もすべて神との交わりの中に招いています。

(4) 罪の赦しを与える。(8:12)新しい契約は神の恵みと愛に基づいているので、人々に真の意味

　　での罪の赦しを与えることができるのです。

(5) 神が保証したもの。新しい契約は、神ご自身の手によるものなので、無限の力を有し、永遠

　　に続くものです。キリストによってもたらされた新しい契約は、文字どおり素晴らしいもの

　　です。

２０２３年７月 ２日礼拝メッセージ要旨

ヘブル人への手紙７：１〜２８

「永遠の大祭司」

鈴川キリスト教会牧師

川崎　廣

　ヘブル人への手紙の中心思想は、イエス・キリストの永遠の祭司職と、この世の罪のために備えられたキリストのいけにえということです。
１， メルキゼデクに等しい大祭司(1〜15節)
・旧約時代のアロンの祭司制よりすぐれた祭司制は、メルキゼデクの内に見いだされる。
・イエス・キリストこそ「メルキゼデクの位に等しい大祭司」つまり神に近づく道を開く唯一の大祭司であることを明らかにしています。
(1) メルキゼデクは、サレムの王で、すぐれて高い神の祭司と言われている。
(2) メルキゼデクという名は、「正義の王」という意味と「サレム」は平和を意味している。
(3) メルキゼデクの祭司職は、アロンの祭司職のような世襲のものではない。
(4) メルキゼデクの祭司職は永遠であった。
・メルキゼデクをイスラエルの族長であるアブラハムと比較しながら、メルキゼデクがアロンの祭司制に優越していることを説いています。

(1) メルキゼデクはアブラハムから十分の一を受け取っている。これは、アブラハムよりすぐれ

　　ていることになる。

(2) 「レビはまだ父の腰の中にいた。」(10)アブラハムが十分の一をささげたとき、レビもまた

　　ささげたということになる。

(3) アブラハムがメルキゼデクから祝福を受けたことは、メルキゼデクがアブラハムより上位に

　　あったと言うことであり、メルキゼデク以上の者は無いと言うことになる。

２，永遠の大祭司、イエス・キリスト（16-28節）
・旧約も新約も共に人々を神との交わりに招いています。しかし、旧約時代の制度は、その役目を十分に果たすことができなかった。それに代わって「もっとすぐれた希望が導き入れられました」(19)これこそメルキゼデクの位に等しい大祭司イエス・キリストです。
(1) 「肉についてのいましめである律法にはよらず、朽ちることのない、いのちの力によって

　　祭司となった」(16)。

(2) 神の誓いによって祭司となられた。(21)
(3) 「イエスは、もっとすぐれた契約の保証となられた。(22)
(4) イエス様は永遠に存在されるので、変わることがない祭司職を持っておられる。(24)
(5) イエス様は、いつも生きていて、彼らのためにとりなしをしておられる。(25)
(6) イエス様は、ご自分によって神に近づく人々を完全に救うことがおできになります。
(7) 敬虔で、悪も汚れもなく、罪人から離され、また天よりも高く上げられた大祭司です。
(8) イエス様は、人と神様との間の橋渡しをする完全な大祭司であるだけではなく、罪人のた

　　めの完全ないけにえであることを示しています。