未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




9月入学

この問題に興味のない者にとっては、コロナ禍による学校再開の目途が立たない中での思いつきのように捉えられているようだ。

実際に「思いつきでやるようなことではない。」との批判がある。

だが、ニュースでも報道されている通り、東大が2015年の9月入学を、本気で画策していた時期がある。

この動きに対し、上位の難関大学も賛意を示していた。

その大きな目的は、少子化の影響で減った学生を確保するために、海外からの留学生を迎えるに当たって、他の国とは違う4月入学という制度が、大きなハンディキャップとなっている。との考えだ。

大学の運営サイド、それも定員割れしているような弱小大学ではない、一見まともに運営されているかに見える大学ですら、その先行きには暗雲が垂れ込めている。

既にかなりの時間をかけて、議論がされている。

大きな障害は恐らく、3月卒業の高校生を、9月までどう過ごさせるのか?

どうせなら、小学校から全部、9月入学にするべきではないのか?

はたして、その半年間のギャップを、どう埋めるか?その現実的な策が実行されることはあるのか?

長年、この問題に取り組んで来た者にとって、今回は絶好の機会である。

最大の問題が、コロナ禍による学校閉鎖という形で、先に実現してしまった。

「良く検討して実行するべき」との声もあるが、今年実現出来なければ、日本にはもう、2度とチャンスはない。

今年出来なければ、来年や再来年に実施することは、どう考えても不可能である。

10年後に実現したとしても、もう、9月入学になったからと言って、日本の大学が海外の「留学してまで学びたい」との意欲のある学生の留学先として、検討されることはない。

新入学の大学生が「コロナで自宅待機。サークルに加入したり、歓迎コンパがあったりなど、自分の思い描いていた学生生活とは違う。することがないので実家に帰りたい。」と、堂々とインタビューに答えていた。

日本の大学生の80%、いや90%は、こんな感じだと思う。

海外の映画などで見る、教師が指揮を執って学生同士が討論するような光景は、日本の大学にはない。

3年間、単位を取得することに専念し、なおかつ楽に単位を集めること、楽に授業をこなすことに専念する。

就活時期に、就活仲介企業の作ったルールを妄信し、「100社受けて全部落ちた」と、100社落ちてもまだ、何が悪いのかを自分で解決出来ない大学生。

高卒でも覚悟を決めて働いている者の方が、よほど頼りになるのだが、企業の採用担当も、100社受けてるいるような連中が押し寄せる中、まともな判断など出来ない。

人生、大きな企業で高所得で暮らしたい。

大学を出ればなんとかなる。いや、大学すら出ていなかったら、まともな生活など出来ない。

と、その割には勉強する、他の者にはない力を付ける、との発想がない。

9月入試にしただけで、日本の大学に明るい未来が訪れるわけではないが、それがまず第一歩であり、踏み出してみれば新たな問題が噴出し、一歩一歩それを改善して行くしかない。

税金で無料で若者に大学に通わせても、その効果は極めて薄い。

その程度の策しか打ち出せない政治、そんな目先のことしか支持出来ない国民による民主主義国家。

やはり、未来はないな。

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