
写真1 ヨシの根元近くに出たトネハナヤスリの栄養葉、茹で昆布のような形状と緑色。胞子葉は未生長。

本種は氾濫原に群生し、4月から6月くらいまで葉を出す小型シダ。根茎はほふく(匍匐)し、8~25cmの高さの葉をまばらに出す。栄養葉は長さ2.5~11cmで広披針形から卵状三角形。胞子葉は長さ6~15cm。固有種。
栃木県(渡良瀬遊水地)、千葉県、大阪府に生育が確認されている
和名の、トネは利根川に由来し、ハナは胞子葉を花に譬え、ヤスリは胞子葉を棒鑢 (ぼうやすり)に譬えた。
本種は、環境省レッドデータブックでは近い将来における絶滅の危険性が高い種(絶滅危惧IB類(EN))にランクされる。
ヨシが生長すると地上部(栄養葉・胞子葉)は枯れて翌年に芽吹く。
ハナヤスリ科 学名:Ophioglossum namegatae
引用・参考文献等:環境省・生物多様性情報システム(J-IBIS);絶滅危惧種情報
執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2011年5月4日 撮影地:栃木市・渡良瀬遊水地