まあどうにかなるさ

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奇跡の一本松

2013-03-21 23:30:22 | 時事問題
陸前高田市高田町、かつてここには7万本もの松林が2キロわたり連なる景勝地だった。
東日本大震災で発生した津波により美しい松林は次々になぎ倒されてしまった。
だが、ただ一本だけがその場に踏みとどまり、奇跡の一本松としてマスコミによって報道された。
しかし、2011年10月、その最後の一本も枯死が確認される。
先週発行の週刊新潮に、その後の奇跡の一本松の事が記事にされていた。
何と、モニュメントとして復元されており、今も変わらぬ姿で同じ場所に立ち続けているのだ。
まず、幹の中心部をくりぬき、防腐剤によって処理をした後、炭素繊維製の芯棒を作成し、くり貫いた幹の中に通す。枝葉の部分については、伐採し、石膏で型取りして、それを元にガラス繊維強化プラスチックでレプリカを作製。それを接着剤とボルトで幹へ取り付けられた。
これほど大きな自然物の復元は恐らく世界的にも前例がないと言う。そのため、永久にもつかどうかはわからず、業者としては10年程度としている。
問題なのは、その費用。何と、1億5000万円!
臨時市議会により可決され、事業には公金は使わず、保存のために募った基金で賄うという。
週刊新潮は「奇跡の一本松、涙の復元は美談か茶番か!」というタイトルを付け、この事業には批判的な論調である。
週刊新潮は比較的良識のある記事が多く、決して事実をスキャンダリックにねじ曲げる事はない。だが、この記事はどうだろう?
戸羽市長の発言。
「確かにコストが高いという声が出ていますが、だからこそ税金を使わず、寄付を募った。賛同していない人に迷惑はかけていない」
同感である。
同誌には、陸前高田市の復興住宅の建設が進まず、順番か違うのではないかと書かれている。それは最もだが、住宅建設が進まないのは土地取得の問題や人手不足が原因である。
津波に負けなかった一本松に勇気付けられた人も多いはずで、その精神的な象徴として、賛同者の寄付によって、モニュメントとして残すことをとやかく言うべきではないと思う。



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