夏のある猛暑の日
暑い室内で、ふと誰かが扉を開ける。中は冷気が漂い、心地よさそうである。ふらふらと飛び込む。食べ物がたくさんあり、なかなか快適な空間であるように思われた。だが、よく見ると食べ物は全て厳重にパッケージされてある。次の瞬間、扉が乱暴に閉じられる。今まで灯されていた灯りは突然消え、暗闇が訪れる。やがて心地いい冷気は徐々に寒さを増し、極寒の過酷な世界へと変貌する。
飛び込んだ事を後悔するが、すでに時遅し。時間の経過とともに体は熱を奪われ、体力が低下していく。動くことは最早無理だと思われた。薄れ行く意識の中で、再び扉が開く事を願うが、それは叶わない。
小さな命は短い一生を閉ざされた空間の中で終わりを迎えた。
冷蔵庫の中でコバエが一匹死んでいました。
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