日本語には文法的な数がない。
「文法的な数がない」とは,主語が単数であっても複数であっても,それによって動詞が影響を受けることはない。あるいは,被修飾語の数によって,形容詞の形が変わるわけではないことを言います。
ヨーロッパの言語はたいてい文法的な数がありますが,アジアの言語には少ないようです。
だから,いちいち単数か複数かを明示する必要がない。だからといって,複数を表す方法がないわけではない。
インドネシアでは,一つの言葉を繰り返して複数を表すという,たいそう分かりやすい方法を使います。
子どもがアナクで,
子どもたちはアナクアナク。
人はオランで,
人々はオランオラン。
英語は不規則な複数形もありますが,名詞の末尾にsをつけて複数をあらわす。
では,日本語ではどうか。これが,ない。
「たち」とか,「ら」,「ども」など,複数を表す語尾はあるけれども,英語のsのように万能ではない。
「子どもたち」はいいけれども,「犬たち」,「ゾウたち」って言えるのか。
「花たち」,「草たち」,「椅子たち」はあきらかに変です。
インドネシア語方式で,二つ言葉を繰り返す方式もありますが,これも使えるケースが限定されている。
人々はいいけれど,猿々とは言えない。
国々○,県々×
島々○,山々○,川々×
木々○,草々×(手紙の末尾には使うが)
この点,韓国語のドゥルは,万能です。人にも,動物にも,植物にも,ものにも使えます。
「文法的な数がない」とは,主語が単数であっても複数であっても,それによって動詞が影響を受けることはない。あるいは,被修飾語の数によって,形容詞の形が変わるわけではないことを言います。
ヨーロッパの言語はたいてい文法的な数がありますが,アジアの言語には少ないようです。
だから,いちいち単数か複数かを明示する必要がない。だからといって,複数を表す方法がないわけではない。
インドネシアでは,一つの言葉を繰り返して複数を表すという,たいそう分かりやすい方法を使います。
子どもがアナクで,
子どもたちはアナクアナク。
人はオランで,
人々はオランオラン。
英語は不規則な複数形もありますが,名詞の末尾にsをつけて複数をあらわす。
では,日本語ではどうか。これが,ない。
「たち」とか,「ら」,「ども」など,複数を表す語尾はあるけれども,英語のsのように万能ではない。
「子どもたち」はいいけれども,「犬たち」,「ゾウたち」って言えるのか。
「花たち」,「草たち」,「椅子たち」はあきらかに変です。
インドネシア語方式で,二つ言葉を繰り返す方式もありますが,これも使えるケースが限定されている。
人々はいいけれど,猿々とは言えない。
国々○,県々×
島々○,山々○,川々×
木々○,草々×(手紙の末尾には使うが)
この点,韓国語のドゥルは,万能です。人にも,動物にも,植物にも,ものにも使えます。
どろどろ、さらさら、しゃあしゃあ、てくてく
そこから日本語のルーツを探る研究もあるようです。
多くはないけれど,タイ語にもあるようですね。
チンタ
インドネシア語で「愛している」
(だったかな。飲み屋で覚えたので,さだかでない)
サバイサバイ~~
気持ちいい~~
들ですが、北朝鮮の文法研究書によるとこんな例もあるようです。
주인은 반가운 얼굴로 공작원들을 맞이하였다.
“어서들 들어오시지 않고 그렇게 서 계십니까?”
これは副詞に付く들ですが、下記のように、さまざまの品詞に들の結合が可能だそうです。
어서 들어들 오시지 않고 그렇게 서 계십니까?
어서 들어오시지들 않고 그렇게 서 계십니까?
어서 들어오시지 않고들 그렇게 서 계십니까?
어서 들어오시지 않고 그렇게들 서 계십니까?
어서 들어오시지 않고 그렇게 서들 계십니까?
어서 들어오시지 않고 그렇게 서 계시기만들 하십니까?
これらの들は動作の主体、つまり工作員が複数であることを表す機能を持っているのだそうです。
主体が複数であると、後の副詞や動詞にまで影響をおよぼすところが日本語とはかなり違います。もちろんこれが義務的な文法ではないことはご存じの通りです。私自身の経験からいくと어서들は聞いたことはありますが、用言の活用形にまで付いた形は聞いたことがありません。
어서들 들어들 오시지들 않고들 그렇게들 서들 계십니까들.
知り合いの韓国人の話ですと、さすがにこういう言い方はなく、この場合の들は一回しか出てこられないこと。
들のつく名詞が複数であることを表す場合は、その名詞のすぐ後ろに付き、助詞はその後につきますが(공작원들을)、動作の主体が複数であることを表す場合は、用言の活用形の最後に付きます(들어오시지들)。このように들の機能によってその結合の仕方に違いがあるそうです。で、面白いのが次の文章。
아래 일군들과들 만났다.
上記の説明からいくと、最初の들は名詞일군(労働者、韓国での綴りは일꾼)が複数であることを表わし、次の들は만났다の主体が複数であることを表す機能を受け持つ들ということになります。
お疲れさまという意味の
スゴ ハセヨ
を,複数の人に向かって言うとき
スゴドゥル ハセヨ
と言うのを聞いたことがあります。
このようなドゥルはなかなか使えこなせませんね。