グランドスラムといえば、テニスの4大大会、すなわち、全豪、全仏、全英、全米オープンのすべてに優勝することだと思っていました。
今、ちょうど今シーズン最後の4大大会である全米オープンが戦われています。
ところが最近は、野球用語としてのグランドスラムをよくニュースで目にします。
大谷翔平選手が、40-40をサヨナラグランドスラムで達成!
のように。
これ、満塁ホームランのことなんですね。
辞書でどう説明されているかというと、三省堂国語辞典初版(1960年)、広辞苑第二版(1969年)にはなく、三省堂国語第4版(1994年)には、冒頭写真のような記述があります。
①がトランプのブリッジ用語。②に〔テニス・ゴルフなどで〕年間の主要な大会すべてに優勝すること、③に野球の満塁ホームランが載っています。
「満塁ホームラン」のことをグランドスラムと称する用法も、けっこう古くからあったんですね。私は知りませんでした。
満塁ホームランというと、私は巨人ファンでしたので、大昔の末次選手の対阪神戦、逆転満塁サヨナラホームランが印象に残っています。
それ以外にも、「満塁男」駒田徳広選手のプロ初打席満塁ホームランとか。
史上、最も劇的なグランドスラムは、近鉄バッファローズの北川博敏選手が2001年に放った、代打逆転サヨナラ満塁優勝決定ホームランでしょう。
リーグ優勝のかかった一戦で、9回の裏に代打で出た北川選手が、グランドスラムで優勝を決めたのですね。私は韓国駐在中で、テレビニュースで見ただけですが。
もっと古い時代には、面白い「代打逆転サヨナラグランドスラム」がありました。
初代ミスタータイガースといわれる藤村富美男が打ったもの。
藤村は、1955年から選手兼任監督になりましたが、1956年6月24日、甲子園球場で行われた対広島カープ戦で、1-0で負けていた9回裏二死満塁のチャンスに、「代打、ワシ」といって監督自ら代打に出て、満塁ホームランをかっとばしたそうです。
今回の大谷翔平の40-40を決めるグランドスラムは、代打でも逆転でもありませんでしたが、球史に残る「サヨナラグランドスラム」の一つでしょう。
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