犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

ヒト、この不思議なる動物⑫~食中毒

2010-06-20 23:06:07 | 文化人類学
 生来,胃腸が丈夫なようで,東南アジアあたりの危なそうな国に行って危なそうなモノを食べても,あまりお腹をこわすことはありません。今まで唯一の食あたりは,インドネシア。火の通ったものを食べていたはずなのにあたってしまったのが不思議。高級ホテルの朝食ビュッフェで食べた生野菜が怪しかった。水あたりだと思います。

 ここ数年,食中毒がニュースになることが多いですが,食中毒はヒト特有の現象でしょうか。

 野生の動物が傷んだ肉を食ったり,毒キノコを食べたりして死んだなどというニュースは聞いたことがありません。たぶん,本能的に食べられるものと食べられないものを見分けているんだと思います。

 それにたいして,本能の壊れているヒトは,間違えて毒キノコを食べて死んじゃったりする。これは,本能によって見分けているのではなく,知識に頼っていることから来ると思われます。


 ある欧米の研究者がニューギニアを調査中,原住民が持って来る多種多様なキノコ類が食べられるのかどうか疑心暗鬼になっていると,原住民は「われわれはどれが食べられてどれが食べられないか,すべて知っている。これは大丈夫だ」と憤慨したそうです。


 ただ,ニューギニア原住民にしても,毒キノコを本能によって見分けているわけではなく,民族の中に蓄積された伝承,知識によるものでしょう。


 化石人類たちはどうなのか。

 170万年前と推定されるアフリカのホモエレクトス(女性)の化石に骨の異常が認められ,それは「ビタミンA過剰症」ではないかと疑われています。

 ビタミンA過剰症については,以前にも取り上げたことがあります。(→リンク)これは,肉食獣の肝臓を食べたことにより起こる。

 有毒である肉食獣の肝臓を「間違えて」食べてしまうというのは,本能がしっかりしている動物であればあり得ない。ヒトが「知識」に頼って,時として「間違えて」,食中毒を起こすというのは,古代人類の時代からあったことのようです。

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4 コメント

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身近な毒物で (salleana)
2010-06-27 11:56:58
この記事を読んで身近な毒物を検索して
たとえばユリが花粉でさえも猫には猛毒と知ったその日、
いつも見ている猫の画像掲示板でまさにユリの葉を誤食して
瀕死になってしまったという書き込みを読みました。
なんたるシンクロニシティ…。
飼い猫は野生動物じゃないということもありますが、
人間のそばにいた方が危険なものに触れやすいという事例ですね(涙)。
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ユリの葉を誤食… (犬鍋)
2010-06-28 00:05:05
なんで肉食の猫がユリの葉を…

人に飼われて食性が変わっちゃったんでしょうか。

人間が人工的に作った毒入り餌以外で,猫がそんなことになるとは思いもよりませんでした。
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チョコレートも危険です (salleana)
2010-06-28 10:17:00
猫は稲科の雑草(たとえばネコジャラシとか)の細長い葉をよく食べるんです。
園芸店やペットショップでは専用の猫草を栽培して売ってます。
だからユリの葉を誤食してしまったんですね(泣)。
身近な毒物ではよく知られている玉ねぎの他にチョコレートとかもあるので、
一覧表を部屋に貼っておかなくてはと思いました。
ちなみにうちの猫はチョコレートの包み紙にも道に落ちているタバコの吸い殻にも
マタタビのように反応する嗜好があるので恐怖です。
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マタタビは知っていましたが (犬鍋)
2010-07-01 01:32:56
猫草は知りませんでした。

うちの犬も散歩中、ときどき草を食べていますが、こっちは「犬草」か。

玉ねぎやチョコレートは人間に飼われていなければ接しえない毒物ですね。

タバコの吸殻が好きというのも意外です。
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