
写真:朝ドラ「おむすび」の四ツ木翔也(佐野勇斗)。NHKより
野茂やイチローの活躍以後、メジャーリーグに移籍する日本選手が増え、メジャーリーグに注目が集まっています。
私は韓国駐在中に日本のプロ野球を見る習慣がなくなり、帰国後も野球中継をあまり見なかった。
ただ、ここ1~2年、NHKのBSが大谷選手の試合を完全放送してくれるので、メジャーリーグの試合を見るようになりました。
メジャーリーグは、以前は大リーグということが多かった。いつごろからメジャーリーグというようになったのか、辞書で調べてみました。
三省堂国語辞典初版(1960年)には、メジャーリーグはおろか、メジャー〔major〕という言葉さえ載っていませんでした。あるのはメジャー〔measure〕のみ。
メジャー〔measure〕①定量。、計量、「メジャーカップ・メジャースプーン」②(金属・小型の)巻き尺。
「大リーグ」も載っていません。
第2版(1974年)、第3版(1982年)は持っていないので、第4版(1992年)を見ると、メジャー〔major〕が立項されています。
メジャー〔major〕①大規模であること。「メジャーな会社」②〔経〕国際石油資本。③主流であること。「メジャースポーツ・メジャーリーグ〔=アメリカ・プロ野球の、最高位のリーグ〕」④〔音〕長音階。「メジャー調〔=長調〕」(⇔マイナー)
メジャーという言葉の用例として「メジャーリーグ」が載っています。
第5版(2001年)は変更なし。
第6版(2008年)では、「大リーグ」という言葉が立項されるとともに、メジャー〔major〕の項にも、メジャーの用例としてではなく、追い込み項目として「メジャーリーグ」が独立しました。
だいリーグ【大リーグ】アメリカのプロ野球で、最高位のリーグ。メジャーリーグ。MLB。
メジャーリーグ〔major league〕⇒大リーグ。〔その選手を「メジャーリーガー」と言う。〕
第7版(2014年)、第8版(2022年)は変更なし。
野茂英雄のメジャーデビューが1995年、佐々木主浩2000年、イチロー2001年、松井秀喜2003年。メジャーリーグでの日本人の活躍が、第6版(2008年)で大リーグ・メジャーリーグの立項につながったのでしょう。
メジャーリーグはともかく、「大リーグ」という言葉はもっと前に辞書に載ってもよかったと思うのに、意外です。
今は、大リーグよりもメジャーリーグとかMLBという言葉が、ニュースでよく使われる気がします。
1961年生まれの私が野球に興味を持ち始めたのは、小学校1年生の1967年ごろ。巨人が日本シリーズで連勝し、巨人軍多摩川グラウンドが私の自宅から徒歩圏内にあったので、巨人ファンになるのは自然の成り行きでした。
「大リーグ」という言葉に初めて接したのは、『少年マガジン』に連載され、アニメ化もされた『巨人の星』。主人公の星飛雄馬が「大リーグボール」という「魔球」を投げていたからです。
ほんものの「大リーグ」球団も、毎年のように来日して、巨人や全日本選抜と対戦しました。
カージナルス(1968年)とか、ジャイアンツ(1970年)とか、オリオールズ(1971年)とか。
日本のチームはまったく歯が立たなかったという記憶があります。とくにオリオールズのパウエルという巨漢選手がホームランをバカスカ打っていたのを、今でも覚えています。
調べてみると、オリオールズは日本相手に 12勝2敗4分で、パウエルは6ホームラン。
親善試合なのに、日米戦は、日本国中が盛り上がっていたように思います。
メジャーリーグとは、アメリカのマイナーリーグに対する名称ですが、私が子どものころは、日本の弱小リーグに対する、本場アメリカのリーグだと誤解していました。
ところで、朝ドラ「カムカムエヴリバディ」(昼の時間に再放送中) で、雉真(きじま)繊維の次男、勇は、学生時代、野球に夢中で甲子園を目指していましたが、戦争が激しくなったため大会は中止。甲子園出場の夢を絶たれました。

朝ドラ「カムカムエヴリバディ」の勇(村上虹郎)
その後、戦死した長男に代わって会社の跡取りになると、会社内に野球チームを作って、進駐軍のアメリカチームを破る。野球をきっかけに社員の結束と意気が高まり、業績を上げる…。
戦争直後だからなおのこと、旧敵国で、野球の宗主国のアメリカ人のチームに勝ったことで、盛り上がったのでしょう。
今の朝ドラ「おむすび」の四ツ木翔也も高校時代、甲子園を目指していました。「夢はメジャーリーグ」だったかな?
サッカーのJリーグができてから、少年たちの人気はサッカーと二分されていますが、大谷とかメジャーリーグの人気を見ると、まだまだ野球の魅力も衰えていないようです。
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