朝ドラ「おむすび」で、主人公の米田結が部活のあと、憧れの風見先輩と二人きりで話をしようとしていたとき、書道部の部長が入ってきて、
「俺んちに、バリでかいスズメバチの巣があるっちゃけど、見に来ん?」
結は心のなかで「相変わらず部長、空気読めん」とつぶやく、という場面がありました。
このあとの番組、「あさイチ」で、MCの博多大吉は、
「地域によっては床の間に飾ってるところもある」
とコメントしていました。
「島根の家で飾ってなかったっけ? スズメバチの巣」
妻の実家は、島根県安来市です。
「うん、どこかで見たね。松江の叔父さんの家かも」
松江の叔父さんというのは、妻の母親の妹の夫。骨董品蒐集が趣味で、莫大なコレクションがあるということを、ずいぶん前に書いたことがあります。
骨董品
「あの叔父さん、亡くなったよね」
私が訪ねたのは、15年近く前。
当時から病気がちで、足腰も悪く、2階建ての自宅にエレベーターをつけていました。お金持ちなんでしょう。
数年後、訃報が届きましたが、遠いのでお葬式には行きませんでした。
「あの骨董品、どうなったんだろう」
「さあ」
叔父さんは、「骨董品は天下の回りもの」というような話をしていて、自分が死んだあと、収集品が散逸することを少しも惜しいと思っていないようでした。
「墨塗り教科書、ほしかったんだけどなあ」
コレクションの一つに、日本の古い教科書があって、終戦直後にGHQの命令で問題個所を墨塗りされた教科書があったのでした。たぶん、天皇陛下とか軍国主義を賛美した部分なんだと思います。
しかし、そのときは言い出せず、代わりに得体のしれない酒瓶をもらいました。明治時代か大正時代のもので、今も私の家にあります。(冒頭写真)
なお、この叔父さんの姓は「石破」といい、今をときめく自民党総裁(次期首相)の従姉弟だということです。
お葬式に石破茂が来たかどうかは知りません。忙しいから、花輪をとどけただけじゃないかと思いますが。
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