犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

ブラジル便り~ピラニアスープ

2009-08-12 23:09:36 | その他諸国便り
 結婚式が終わり,再びプロポリスのお店に戻って,預けていた荷物を引き取り,ホテルに向かいます。

 そういえば,サッカーのユニフォームを頼まれていた。同僚に相談すると,ホテル最寄りの地下鉄駅のそばに大型ショッピングセンターがあるということで,立ち寄ることにしました。

 頼まれていたのはブラジルナショナルチームのサッカーユニフォーム。露店やおみやげ物屋さんにあるものはコピー商品で,一回洗濯するとよれよれになるそうな。頼まれものなので,オフィシャルの純正品を買うことにします。

 広いショッピングセンターを行きつ戻りつして,やっと探し当ててみると,これが高いんですね。

1枚240ヘアル(約12000円)!

 まあ,仕方がない。

 さて,夜の食事は,ピラニア料理です。

 実はここもプロポリスのおじさんに紹介してもらったお店。私が「ピラニアが食べたい」と言ったところ,

「すぐ近くにあったんだけどね。今は,日本の元関取が開いたちゃんこ鍋の店になっちゃった。まてよ。たしかパライソ(ホテルのある地域)にあったはずだぞ」

 わざわざインターネットで調べて,お店のホームページをプリントしてきてくれました。

「ランチョ・ダ・トライーラ」

 坂口さんという日系人がやっているお店だそうです。

 われわれは夜7時にほかの二人と待ち合わせ,総勢4人でタクシーでお店に乗り付けます。繁華街からはずれ,さびしい住宅街にあるそのお店は,やはり徒歩では危険。

 私たちが着いた7時半には客は一人もいませんでした。ブラジルの土曜の夕食にしては,時間が早いのでしょう。

「予約する必要なかったね」

 まず注文したのが生ビール。朝から一日中,忙しく活動していたので,生ビールの旨いこと。

 われわれが日本人だとわかると,奥から「坂口さん」が出てきました。

ピラニアはありますか」

「ええ,スープがあります」

「スープ以外は?」

「ピラニアはスープだけです。でもほかの魚なら刺身ができますよ」

 ピラニアのスープ以外に,二種類あった刺身を注文します。

 一つはピラルク

 世界最大の淡水魚として,ときどき水族館にいる,あれです。

 そしてもう一つはティラピア

 そして,店の名前にもなっているトライーラは揚げもの。

「日本の雷魚に似ています。肉食で獰猛な魚です」

 
まず,ピラニアのスープ。濃い味付けがしてあって,箸で中身を探っても肉は見当たらない。だしをとっているだけのようです。たぶん身はおいしくないのでしょう。味は,普通の魚のスープで,特別な匂いはしません。

 そして刺身。ティラピアは一見,鯛に似ています。しかし食感はシコシコ感がなく,やわらかい。ピラルクのほうはピンク色で脂が乗っている。ブリのような感じです。どちらも,ライムをたっぷりとかけて,日本式にしょうゆとわさびで食べます。川魚にしては食べやすいとはいうものの,はっきり言って本物の鯛やブリに比べれば味はぐっと落ちます。

 そしてトライーラ。開きにしたものを丸ごと揚げた豪快な一品。小骨をすべて取ってあるということで食べやすい。これもライムを振って,タルタルソースのようなもので食べます。さくさくとした食感が心地よい。今回のメニューの中ではいちばん気に入りました。

 酒は最後までビールで通します。

 8時をすぎるとお客さんが入りはじめ,9時にはテーブルがほぼ埋まります。なかなか流行っている店のようです。結局,デザートまで食べて10時過ぎに店を出ました。

 総額は,235ヘアル。サッカーのユニフォーム1枚の価格とほぼ同じというのは,料理が安かったのか,ユニフォームが高すぎるのか…。

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