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韓国駐在時代に知り合ったK氏と新宿三丁目で飲むことに。
バーの開店時間は18:30なのに、1時間近く前に着いてしまったので、別の店で待つことにしました。
伊勢丹裏は飲み屋街ですが、エスニックレストランも多い。タイ料理のお店を見つけたので入りました。
「サワッディーカー」(こんにちは)
店員が大きな声で迎えてくれます。
店はすいていて、2人連れの客と、東南アジア系の客が2人、別の席にいました。たぶんタイ人でしょう。
店内にはタイ文字があふれている。店の名前は999。タイ語でカーオカーオカーオです。タイ文字は書体がいろいろあって、極度にデザイン化されている文字は読めない。
若い女性店員を呼び止め、生ビールを注文します。
「あそこに書いてあるタイ語、なんて書いてあるの?」
「あっ、私、タイ語はわからないんです」
「さっき、タイ語しゃべってたよね」
「あいさつと、料理の名前はわかりますが、文字は読めません」
「そうなんだ」
メニューに、「本日の虫」というのがありました。
「本日の虫ってなに?」
「ちょっとお待ちください。聞いてきます」
虫は4種類あって、タガメ1600円、スコーピオン3100円、タランチュラ3100円、それに「本日の虫」300円。
タガメ、サソリ、毒グモは高すぎる。タガメについては、あまりよくない思い出があります。
バンコク便り~田亀
店員が戻ってきました。
「今日はコオロギとカイコのさなぎだそうです」
カイコのさなぎは韓国のポンテギですね。
「じゃあ、コオロギください。それとパクチーの冷やっこ」
出てきたのは、バナナの葉の上に、素揚げにしたコオロギが5匹ほど。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/b9/7145fee396d90d23dec3996fd84acc4b.jpg)
(たったこれだけ!)
添えられていた塩をつけて食べるのですが、素材の味はほとんどしない。
6時近くになると、お客さんが増えます。すると、さきほどからすみのほうで食べていた東洋人がエプロンをつけました。客だと思っていたのは店員だったのでした。
近くに来たので、さっきの店員さんにしたのと同じ質問をしました。
「すみません、わからないです。僕、ミャンマー人なので…」
「ミャンマー人! このお店にはタイ人はいないの?」
「はい、厨房はミャンマー人で、サービングは日本人です」
(!!!)
「ミンガラーバー(こんにちは)」
「ミャンマー語、できるんですか?」
「あいさつだけね。留学生?」
「留学で来ましたけど、日本語学校は卒業して、このレストランに就職しました」
「いま、ミャンマーはたいへんだよね」
ウクライナやパレスチナの陰で目立たないけれど、今、ミャンマーは内戦状態なのです。
「はい。ミャンマーに帰ると軍隊に行かないとならないので、ずっと日本にいるつもりです」
料理をするのが好きで、いつか日本で自分の店を持ちたいんだそうです。
数年前、タイに出張したとき、タイの屋台やレストランで働いているミャンマー人の不法移民が多いという話を聞きました。日本のタイ料理の店もそうだということを初めて知りました。
「遅くなりました」
待ち合わせていた友人がやってきました。
「これ、残しておいたよ。コオロギ」
「コオロギですか! 僕、甲殻類アレルギーなんですよ。遠慮しておきます」
結局、コオロギはすべて私が食べることになりました。
海老の入っていないビーフンを追加注文し、腹ごしらえした後、メインのバーに向かったのでした。
十二面相
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