今年の干支は羊ですね。
だからというわけではないのですが、昨年末、前から気になっていた羊のある部位を食べました。
池袋にあるパキスタン料理屋さんのメニューに、羊の脳味噌のカレーがあるのですね。
店の外の看板にそれを見つけてから、食べてみたいと思っていたのですが、この店には致命的な欠陥があったため、今まで敢行できませんでした。
その欠陥とは、酒がないこと。
この店の主人はきっと厳格なイスラム教徒なのでしょう。ビールも含め、アルコールはまったく置いていない。
夜の食事をするのに、アルコール抜きは私にとってありえない。
ある土曜日の昼、ミャンマー語のレッスンの帰りに思いつきました。今日こそはあのメニューに挑戦しようと。
店に入ると、お客さんはパキスタン人らしき3人の男性のみ。ウエイターは、あまりパキスタンらしからぬ、ヨーロッパ系のような外人さん。
「これ、ありますか?」
メニューの、問題の一品を指さして聞くと、一瞬、私の顔を凝視したあと、
「はい、もちろんありますよ」
と、にっこり微笑みました。
「ナンにしますか、ライスにしますか」
「ライスでお願いします」
「飲み物は?」
(ビールを…)と言いたいところでしたが、無いことを知っていたので、
「ラッシーを」
「はい、かしこまりました」
日本語はきわめて堪能です。
待つこと10分。
平皿にたっぷりと盛られてきた一品は…
(麻婆豆腐だ!)
豆腐のように見える物体が羊の脳味噌なのでしょう。その量が、半端なく多い。カレーのルーの中に脳味噌の断片が混じっているというより、脳味噌をカレー味で炒めた感じです。
最初の一匙を口に運びます。
「うっ!」
食感は木綿豆腐よりも弾力があります。美味しんぼという漫画の中で、ふぐの白子と対比されていましたが、ふぐの白子よりも少し固めです。
そして、ほのかに独特の匂いが鼻をつきます。
「これが脳味噌の味か…」
けっして抵抗のある匂いではないのですが、おいしいかと言われれば微妙。そしてとにかく量が多い。
韓国人よろしく、ルーとご飯を満遍なくビビッて(混ぜて)、2~3口食べてはラッシーで流し込みました。
私が完食したのを見計らったように、ウエイターが皿を下げに来ます。
「いかがでしたか?」
否定的な意見を述べられる雰囲気ではなかったので、
「初めて食べたんですけど、けっこうおいしかったです」
と社交辞令を述べました。
「羊の脳って、どれぐらいの大きさですか」
「小さいですよ。一人前に二頭分を使いますから」
(羊二頭の脳味噌を平らげちゃったんだ!)
もしかしたら、自国の自慢の料理に果敢に挑戦する日本人に対し、普段なら1頭分の脳を使うところを、サービスで倍量にしてくれたのかもしれません。
かつて、さくらもも子さんは、ポンテギ(韓国の蚕のさなぎのスナック)を食べたとき、
「食べないことの後悔よりも、食べたことの後悔のほうが大きかった」
と書きましたが、今回の羊脳カレーは、
「食べたことを決して後悔はしないが、また食べることはないだろう」
という感想です。
後日、この羊脳体験をミャンマー語の先生(イスラム教徒)に話すと、
「あらうらやましい。私、大好物ですよ」
とうらやましがられました。
「でも、牛の脳味噌のほうがもっとおいしいですけど…」
先生から新しい宿題を与えられたのでした。
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声を掛けていただければ、私も参戦しましたのに(笑
「とってもウメ~」というよりも、
「モウ結構」という結果のようでしたね。
牛さんにチャレンジするならお声掛けを。
でも量がもっとありそうですね!
哺乳類の脳と魚類の白子は、種も部位も大きく違い、一方は絶縁体のリン脂質の濃厚さで、もう一方は遺伝を担うDNAと少しの脂肪の濃厚さと、組成すらも違う。
しかし、臭みの質に違いはあれど、鮮度と下処理次第で味が劇的に変わる点、滑らかな濃厚さ、柔らかく詰まった食感、そしていずれも生命のソフトウェア部分を担う器官だという点など、面白い相似。
今までの経験では、フランス料理での脳みそが、
一番日本人でも美味しく食べやすい組み立てをしていると思います。
もちろん店次第でしょうけど、昔食べたフライは素晴らしい味でした。
脳味噌フライ、試してみたいです。
昨日の会食は記事でアップしました。
またよろしくお願いします!