少し前に、フィリピノ語の数詞を紹介しました(リンク)。
数詞は、外国語学習における基本語彙なので、お風呂の中で数を数えたり、歩くときに数唱しながら歩いたりして、マスターしました。
そして、それを披露しようと、池袋で最近通い始めているフィリピンバーに行って、フィリピン語で数を数えて見せました。
「上手ね。でも、フィリピンでは、タガログ語(フィリピノ語)の数詞はあまり使わないよ」
「えっ!?」
「スペイン語か英語を使うから、覚える必要なかったのに」
(そ、そんな!)
確かに、『ニューエクスプレス フィリピノ語』にも、フィリピノ語の数詞と同じページに、スペイン語式の数詞が載っていました。「スペイン語もときどき使われる」程度かと思っていたら、「フィリピノ語はほとんど使われない」というのが実態のようです。
私はスペイン語をしっかり勉強したことはないのですが、断片的にいくつかの単語や表現を知っています。
フィリピン語の表現の中に、スペイン語っぽい単語が出てくることに気づいてはいました。
たとえば、「しかし」は「ペロ」、「~したい」は「グスト」のように。
なにしろフィリピンはスペインに350年以上支配されていましたから、フィリピノ語がスペイン語から大きな影響を受け、借用語が多いのは無理もないことかもしれません。
韓国の場合、日本からたった35年の支配を受ける中で、やはり日本語から大量の言葉を借用しましたが、戦後の反日政策の中で、日本からの借用語を排斥し、韓国語の言葉を新造して言い換えました。ただし、日本製の漢語は言い換えの対象から除外されましたが(リンク)。
日本は、戦後、アメリカの統治を受けましたが、それとは関係なく、大量の欧米語(主に英語)を借用しています。借用語は、名詞だけでなく、「コントロールする」とか「ゴージャスな」のような用言にも及びます。
しかし、外来語は「カタカタ」で表記するという原則が守られているため、借用語は日本語の「書き言葉」の中では、識別できるようになっています。
タガログ語はもともと固有の文字を持たなかったか、早い時期に放棄されてしまったかしたために、表記文字はラテン文字のアルファベットを使っています。そのため、スペイン語や英語由来の言葉が表記上、見分けられなくなっています。
まだ、初級段階なので、なんともいえませんが、フィリピノ語におけるスペイン語や英語からの借用語の比率は、日本語における外来語の比率より、ずっと高い気がします。混交語といってもいい水準かもしれません。
初等学校の教授言語(授業で使う言葉)が英語であることを考えると、混交のレベルは、今後、もっと上がっていくと思われます。
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