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犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

フィリピノ語の不思議~数詞

2019-03-13 23:06:05 | 言葉

 少し前に、フィリピノ語の数詞を紹介しました(リンク)。

 数詞は、外国語学習における基本語彙なので、お風呂の中で数を数えたり、歩くときに数唱しながら歩いたりして、マスターしました。

 そして、それを披露しようと、池袋で最近通い始めているフィリピンバーに行って、フィリピン語で数を数えて見せました。

「上手ね。でも、フィリピンでは、タガログ語(フィリピノ語)の数詞はあまり使わないよ」

「えっ!?」

「スペイン語か英語を使うから、覚える必要なかったのに

(そ、そんな!)

 確かに、『ニューエクスプレス フィリピノ語』にも、フィリピノ語の数詞と同じページに、スペイン語式の数詞が載っていました。「スペイン語もときどき使われる」程度かと思っていたら、「フィリピノ語はほとんど使われない」というのが実態のようです。

 私はスペイン語をしっかり勉強したことはないのですが、断片的にいくつかの単語や表現を知っています。

 フィリピン語の表現の中に、スペイン語っぽい単語が出てくることに気づいてはいました。

 たとえば、「しかし」は「ペロ」、「~したい」は「グスト」のように。

 なにしろフィリピンはスペインに350年以上支配されていましたから、フィリピノ語がスペイン語から大きな影響を受け、借用語が多いのは無理もないことかもしれません。

 韓国の場合、日本からたった35年の支配を受ける中で、やはり日本語から大量の言葉を借用しましたが、戦後の反日政策の中で、日本からの借用語を排斥し、韓国語の言葉を新造して言い換えました。ただし、日本製の漢語は言い換えの対象から除外されましたが(リンク)。

 日本は、戦後、アメリカの統治を受けましたが、それとは関係なく、大量の欧米語(主に英語)を借用しています。借用語は、名詞だけでなく、「コントロールする」とか「ゴージャスな」のような用言にも及びます。

 しかし、外来語は「カタカタ」で表記するという原則が守られているため、借用語は日本語の「書き言葉」の中では、識別できるようになっています。

 タガログ語はもともと固有の文字を持たなかったか、早い時期に放棄されてしまったかしたために、表記文字はラテン文字のアルファベットを使っています。そのため、スペイン語や英語由来の言葉が表記上、見分けられなくなっています。

 まだ、初級段階なので、なんともいえませんが、フィリピノ語におけるスペイン語や英語からの借用語の比率は、日本語における外来語の比率より、ずっと高い気がします。混交語といってもいい水準かもしれません。

 初等学校の教授言語(授業で使う言葉)が英語であることを考えると、混交のレベルは、今後、もっと上がっていくと思われます。


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