李栄薫教授の主張を一言でいえば、
「日帝による「収奪論」は虚構である」
ということです。李教授は、土地、米などの「収奪」の実態を資料に基づいて検証し、それが虚構であることを証明しました。
この点、新しい教科書でどうなっているかと言うと…
まず「収奪」という言葉。5年生にとっては難しい言葉だからでしょう。教科書には語注があります。
経済収奪政策:収奪は「強制的に奪うこと」を意味するが、しばしば日帝がわが国で行った経済政策を収奪政策と言う。
面白い説明です。
収奪は「強制的に奪うこと」を意味すると、まず一般的な意味で説明します。それに続いて、しばしば「日帝がわが国で行った経済政策」を「収奪政策」と言う。
これは、収奪の一般的な意味は「強制的に奪うこと」だが、日帝が行った経済政策を「収奪政策」というのは慣用によるもので、「収奪」ではなかった、という含みを残しています。
李教授から改めて批判されたら、そう答えるんでしょう。
土地調査事業の記述からは、「奪った」という表現が消されています。
土地を持つ人は、地主として認められるために、土地の持ち主、価格、形、大きさなどを、決められた日までに申告しなければならなかった。
事実に則した書き方ですが、言外に、
「こんな細かいことまで要求したため、無学な農民は、申告ができず、結局土地を失った」
ということがほのめかされています。李教授が「そんなことはなかった」と証明しているのですが、現場の教師は「言外の意味」を踏まえて、従来どおり「土地が奪われた」と説明するのでしょう。
「米の収奪」についても、直接的に「奪われた」という表現は消されました。そのかわり「持っていかれた」となっています。実際は「売った」が正しいのですが、あいまいな表現を選びました。
李教授は、植民地時代の協力者たちについても言及していましたが、それらの人々は教科書にも「少数の韓国人」という表現で登場します。
日本人と少数の韓国人たちは、建物内にトイレと風呂を備えた新式住宅を建てて住んだ。彼らは百貨店と商店街で買い物をしたり、劇場で映画を見るなどの余暇生活を楽しんだ。彼らの子女は西洋式学生服を着て、新しく建てられた学校で勉強をした。
日帝強占期の間、都市の数が増え、新しい文物が入ってきて、生活が便利になった。しかし、日本人と少数の韓国人のみがその恵みを受けただけで、大部分のわが国の人々は貧しい生活をした。
最後に「従軍慰安婦」。李教授は従軍慰安婦と挺身隊が別物であることを強調していました。韓国の教科書でも「挺身隊の名目で」という表現は削除されました。
日帝は数十万の学生、青少年を戦場へ引き立てていった。また数百万の人々を炭鉱、軍需工場に連れて行き、賃金もまともに払わないまま、仕事にこきつかった。引き立てていかれた人々の中には女性も多かったが、その中で若い女性は戦場へ送られ日本軍から多くの苦痛を味わわされることもあった。
「賃金もまともに払わない」は、「少しは払った」という含みを残した微妙な表現ですね。前の教科書では「まったく払わなかった」ことになっていたはずです。
「引き立てていかれた」「送られた」…。主語が日本国なのか業者なのかが問題なのですが、そこはぼかされています。
全体的に、李教授の主張はかなり反映されているように思います。
ただ、今までの書き方から180度転換はできないので、表現的に玉虫色になっているところが多いですが。
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