犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

韓国の国語教科書~日本の歴史

2007-07-04 01:36:49 | 韓国の教科書
 同じく,中2の国語教科書

2 次の文を読み、問いに答えよ。

 日本の歴史教科書は、自分たちの歴史の弱点を隠したり、嘘で固めて記録している。反面、わが韓国の歴史については、弱点を大きくとりあげたり、長所も短所のように悪く記録している。そうした例の中から、いくつかを指摘してみる。
 第一に、日本の歴史の教科書には、日本が4世紀にわが国の三韓を征服したという嘘が記録されている。これは二十世紀初めにあった、日本の韓国侵略を正当化して飾りたてるためのものだ。
 第二に、日本の歴史の教科書には、四十年間に六回にわたって蒙古の侵略に抗して戦った高麗の抗戦が記録されていない。高麗の抗戦によって蒙古の日本侵略が弱まり、挫折した事実は、まったく記録されておらず、ただ高麗が蒙古に降伏した事実だけが記録されている。これは、わが国が主体性のない弱小国家であることを強調するためのものである。
 第三に、壬辰倭乱は、結局、日本が敗北した戦争であったにもかかわらず、日本の歴史の教科書には、日本のサムライたちの正義に満ちた行動であって、日本が勝利した名誉ある戦争だったと記録されている。これは、日本が自分たちの優越性を強調するために、侵略戦争を美化したもので、日本が歴史的真実を無視していることをよく示すものだ。

(1)上の文を、理由と主張の二部分に分けよ。
(2)上の文の理由部分を一段落にまとめ、もとの文の内容と比べて、その違いを言え。

 コメントのしようもないけど、この執筆者が日本の教科書を読まないで書いたことは確実です。 韓国はこのような国定国語教科書を使いつつ,一方で,日本の歴史教科書の歪曲を糾弾していたわけです。

 2001年,それまで国定だった中学校の社会の教科書が民営化されました(国語,国史,道徳は依然として国定)。次は,民間教科書の一つである図書出版『社会1』の一節。

探究活動
 次は朝鮮の両班と日本の封建時代の武士の生活ぶりを説明した文章だ。自分が、朝鮮の両班、または日本の武士になった場合を想像して、一日の日記を書いてみよう。

「中央集権体制が維持された朝鮮では、官吏が最高の地位を享受した。官吏は、試験を通じて選抜されたが、主に儒教の経典に明るい両班たちが官吏になり、支配勢力を形成した。両班たちは、いろいろな社会的特権を享受しながら儒教文化を花開かせ、儒教的な礼節と風俗を百姓(=一般民衆)たちに広めた。
 一方、日本の領主たちは、農民を支配し他の地域の領主と戦って勝つために、武士勢力を養成した。領主は武士に土地を与え、武士たちは武術を磨くことに熱中しながら、領主に忠誠を誓った。これにより、戦争の技術、また武士の修練に役立つ仏教が発達した」

 子どもたちはどんな「日記」を書くことを求められているんだろう?

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6 コメント

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Unknown (hana)
2007-07-04 12:26:29
ははは、日本の教科書、すごいこと書いてるんですねぇw
朝鮮出兵が正義の戦争だなんて聞いたことも無いですが。
韓国の記事を読んでると「そこに書かれてる日本ってどこの国のこと?」と首をひねりたくなります。
彼らの頭の中にはパラレルワールドの日本があるのでしょう。
以前のエントリーで日本に留学した韓国人の方が「今まで騙されてた」と言っていたそうですが、具体的にはどの点を指して言っておられたのでしょうか。
今度そのあたりも書いていただきたいです。
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彼は (犬鍋)
2007-07-05 07:30:09
映像の勉強に日本に行ったのですが、テレビ番組とドラマにパクリが多いことにショックを受けていました。
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韓国に史談会ってありますか (馬齢)
2007-07-06 11:56:08
犬鍋どの

帰国準備最中にも拘わらず、こうしたレポートを連日纏められる才能・情熱に敬服するものであります。

以下の駄文は酔い醒ましにでも読んで下さい。

二十数年前、友人に誘われて偶々覗いたシンポで、橿原考古学研究所に留学していた韓国人と名刺交換をしたことがあります。
そのシンポのテーマは【日本の古墳、その造成発達史】でした。大変な盛況で立ち見がでるほどでありました。
かの韓国人が、こんなことを言っていたことが記憶にあります。

「日本では、僅か1500~1600年の歴史しかないのに、なんでこんな地味なテーマに、年齢に関係なく、然も一般サラリーマン・OLまでが集まるんですか、理解できない」と。

現在日本では、こうした歴史モノのシンポ・講演会は益々盛況のようです。
例えば、東京で年3,4回、奈良市・JR東海が開催している【奈良学講座】は20年くらい続いているようですが、毎回定員1000人に対し申し込みは3000人以上あるそうです。
愚生が見聞した最近の例では、神奈川県立金沢文庫の月例講座【最近発見の運慶作大威徳明王について】には定員100人に数百人の申込があり、急遽午前・午後の2回にわけて実施しておりました。

また、郷土史的側面のある<○○学検定>も隆盛を極めております、遂に昨年には【世界遺産学検定】まで登場しました。

大統領から幼稚園児まで、歴史の議論が大好きな韓国
では、こうした現象(実証史学の講演会・シンポ=史談会などの盛況)はあるのでしょうか?

蛇足ですが、日本の場合、聴衆は只管拝聴し黙々とメモをとり、終わると無言で帰路に着きます。そのサマは通夜の如く静粛であります。









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史談会 (犬鍋)
2007-07-07 09:21:08
 私が知らないだけかもしれませんが,韓国でそのような会が盛んであるという話は聞きません。
 大統領から幼稚園児まで「歴史の議論」が大好きといっても,それは日本のように歴史にロマンを感じるとか,真実を探求したいというようなものとはちょっと違うように思います。

 発掘される歴史は,あくまでも「韓国の栄光」につながるものでなくてはなりません。そしてそれは,実証的である必要もない。

 檀君の陵が発見された(北朝鮮)とか,
 世界最古の稲が韓国で発見されたとか,
常識で考えてもありえない発見がもてはやされる。「日本に○○を教えてやった証拠」というのも人気のあるテーマです。

 実際,古代史に関しては史料も遺跡も少なすぎる。百済の遺跡はほとんどなし。1971年に偶然発見された武寧王陵が唯一です。新羅の遺跡も朝鮮時代は放置されていた。国宝の石窟庵の発見も20世紀に入ってから。仏国寺も往時の建物は焼失(秀吉軍が焼いたことにされています),現在のものは再建後のものです。

 研究者も少ない。
 数年前,形態人類学の本を読んでいたら,日本の学者(たしか埴原和郎)が,「韓国には人類学者が一人もいない」と書いていました。

 司馬遼太郎が
「高句麗はツングース系ではないか」
と韓国の学者に自説を述べたところ,
「マングースかなんだか知らないが,そんな動物みたいなものと一緒にしないでくれ」
といわれ,ツングース(満州族)にシンパシーを抱いていた司馬はとても悲しい思いをした,というのもどこかで読みました。

 ただ次のような地道な努力をしていらっしゃる例外的な郷土史家もいらっしゃいます。

http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=24426&servcode=400%81%98code=400
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語学力は、ものを言う (ひまわり)
2007-07-10 05:24:15
犬鍋さんの語学力は、たいしたものです。これだけ翻訳できれば・・かなりの韓国の本が読めますね。小学校から高校までの国語並び道徳関係の教科書を読めれば・険悪な日韓関係の原因の一部がわかるような気がします。台湾と中国の戦後の緊張関係を割り引いても、韓国と日本、台湾と日本の関係はあまりにも違いすぎます。教育に第一原因があるのではないかと思っています。
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台湾 (犬鍋)
2007-07-11 07:10:11
台湾の国定国史教科書をネットで読んだことがありますが,日本の植民地時代のことを,非常に客観的に記述していたのが印象的でした。産業が興り,人口が急増したなど,良かった点もきちんと書かれていました。
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