犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

北朝鮮を支持する団体

2010-12-09 23:49:27 | 日々の暮らし(帰任以後、~2015.4)
 北朝鮮の砲撃(11月23日)以後,韓国内のマスコミは北朝鮮を激しく批判しています。特に保守系と目される新聞はこれを機に,「進歩・左派系新聞」を一気に追い落とそうと,勢いづいている。

 次は,朝鮮日報の12月3日のコラムです。

【コラム】彼らはなぜ、北に怒りを覚えないのか
 先月23日に北朝鮮が延坪島を砲撃して以降、韓国の進歩・左派陣営の反応を注意深く見守ってきた。同陣営の「アキレス腱」ともいえる北朝鮮が犯した今回の奇襲攻撃に対し、果たしてどのような対応を見せるのか、非常に興味があったからだ。哨戒艦「天安」沈没事件の際には、「事件は捏造だ」との主張を最後まで曲げず、金正日総書記の三男・正恩氏による三代世襲については、「北朝鮮内部の問題」として口を閉ざしてきた進歩・左派陣営が、大韓民国が白昼に集中砲撃を受けた今回の事態にどんな奇抜な解釈を示すのか、注目していた。

 予想した通り、親北朝鮮団体は、「延坪島砲撃事件は韓国が同族対決策動に従い、砲撃訓練を行ったために発生した」とする声明を発表した。親北団体のメンバーは韓国に居住しながらも、精神的な祖国は北朝鮮と主張し、北朝鮮のいかなる行為についても擁護せざるを得ない。恐らく、北朝鮮が延坪島砲撃の数十倍もの挑発を仕掛けても、北朝鮮の肩を持ち、韓国を非難することだろう。

 一方、親北団体と一定の距離を置く進歩・左派陣営の主流派の反応は、「双方に非がある」という中立的なものだった。まず、「民間人が犠牲になるという事態を招いた北朝鮮の砲撃は、非難されるべき行為」と北朝鮮を短く批判した上で、「今回の事態は、李明博政権の対北朝鮮強硬政策によって発生した」と韓国側の責任論を長々と展開した。形式的には双方を批判しているが、根本的な原因や事態解決の責任は韓国に押し付け、北朝鮮を巧みに擁護している。

 進歩・左派陣営は、「(北朝鮮に対する)怒りは理解するが、戦争をするわけにはいかないだろう」と主張している。だが、同陣営には、韓国の領土と国民を攻撃した敵で、理解し難い行為を堂々と行う非常識な集団に対する怒りが感じられない。延坪島砲撃事件の翌日、代表的な進歩・左派系新聞は社説の冒頭で、「韓国と北朝鮮がきのう、西海(黄海)の延坪島一帯で砲撃戦を繰り広げた。(中略)不安でならない。何よりも、事態の拡大を防ぐよう、南北当局に訴える」と主張した。これは、驚くほど冷静で中立的な姿勢だ。
 さらには、「北朝鮮が極度に好戦的な集団だということを知らなかったのか。その好戦性を管理し、緩和させるのが、韓国の役割だ」とも主張した。腹が立つからと言って街のあちこちに火を付けたり、住民に暴行を加える不良どもを、規律に従って制するのではなく、彼らを怒らせないよう機嫌を取るべきだ、という論理だ。その一方で、韓国の国民に対しては、戦争に対する恐怖心をあおり、「戦争か平和か、どちらか選べ」と迫っている。
 進歩・左派陣営には、北朝鮮のとてつもない行為を目の当たりにしても怒りを見せない、もう一つの論理がある。それは、北朝鮮による一連の行為は「分断体制」の産物だから、というものだ。国家分断の状態が解消されない限り、韓国も北朝鮮も「正常な国家」にはなれないため、北朝鮮で権力世襲のような正常でないことが起こるのは当然だ、との主張だ。こうして、あらゆる原因を「分断体制」という虚像に押し付ければ、万人の怒りを買うような事件でも、誰も責任を負わなくてよいことになる。実に珍しく、都合のいい論法だ。

 李大統領は、延坪島砲撃に関する談話で、「これまで北朝鮮政権を擁護してきた人々も、これで北朝鮮の真の姿を悟ったはずだ」と述べた。だが、大統領の思いとは裏腹に、進歩・左派陣営が北朝鮮に対する認識を改める可能性は期待できそうにない。ならば今回、北朝鮮の実態を改めて確認した大多数の国民が一致団結し、このような陣営を窮地に追い込むべきだ。

李先敏(イ・ソンミン)文化部長

 上の記事で言及されている「代表的な進歩・左派系新聞」は,ハンギョレ新聞。金大中,ノ・ムヒョン時代に太陽政策を支持し,部数を伸ばした新聞です。

 さすがのハンギョレも,二日後の25日の社説は,北を激しく非難しています。(→

 「(民間人居住区域まで無差別砲撃を加えたことは)どんな名分ででも正当化されることはできない極めて非人道的で野蛮な暴挙」

 この期に及んで北を擁護すれば,廃刊に追い込まれること必至です。

 一方,日本国内の北朝鮮出先機関である「朝鮮総連」は,あいかわらず「韓国のせい」と主張し,日本政府が朝鮮学校への無償化審査を中断したことに抗議しています。(→リンク

 あきれたものです。

 拉致問題で加速した在日朝鮮人の総連離れはこれで決定的になると思われます。

 韓国にも親北朝鮮団体があり,こちらのほうは若者を中心に支持を集めているというから不思議。ネット上のサイトやツイッター、ユーチューブなどでは、金日成の主体思想や金正日の先軍政治、核開発、在韓米軍の撤退などを支持するコメントが数多く掲載されているとのこと。

 「サイバー民族防衛司令部」や「よく分かる朝鮮民主主義人民共和国」などには、北朝鮮による延坪島砲撃以降も北朝鮮の体制を礼賛する文章が堂々と掲載されているそうな。

 きっと,ネット上の「お遊び感覚」でやっていることなのでしょう。

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