葬祭のしきたりは宗派や土地によって相当に異なります。
これまで少なからぬ身内や親戚の葬儀に立ち会ってきましたが,初めてお目にかかる儀式もあってとまどいました。そのあたりは親戚の方々,町内の方々から聞きながらことを進めるよりほかない。いったんは私のほうで葬儀屋さんと段取りを決めますが,親戚の重鎮や町内の有力者の一声で,いちど決めたことがどんどん覆されていく…。まあ,これは仕方ないことなのでしょう。
私の知らなかったものに,「なかだんや」というものがありました。
亡くなった日から4日目,つまり亡くなった日と初七日の真ん中の日に,町内の方々を集めて行う簡単な法要だそうです。中逮夜(なかたいや)が訛ったもののようです。最近は,やる場合もやらない場合もあるようですが,何事もきちんとしたことが好きだった故人を思い,やることに。ただ,初七日の法要はお葬式と同じ日に済ませてしまったので,命日と初七日の間の法要をするというのは理屈にあわないような気がしますが,理屈を言っている場面ではない。
これは町内の方々が中心になって執り行ってくれたので助かりました。
「札打ち」というのもありました。
「南無地蔵大菩薩」と書かれた紙に戒名を書き入れ,町内のお地蔵さんに貼って回るのですね。これまた,一カ所にまとめて貼ればよいという意見もあり,いやいや全部別々に貼らなければいけないという意見もあり…。
葬式の翌日,孫たちをひきつれて貼りにいきました。向かった先は清水寺。といっても「清水の舞台」の京都清水寺ではなくて,島根にある清水寺。こちらも当地では由緒ある寺で,大きな境内の中に何十ものお地蔵さんがある。何百段もある階段を登っていくので,一周するだけでけっこうな時間がかかります。
途中の高台には展望台が設けられ,遠くに大山の雄姿を望み,境港や中海なども見渡せる。幸い,雪もすでにとけ,うららかな気候だったので1時間半ほどのお地蔵さん巡りは,ここ4日ばかりの運動不足と湿った気持ちを解消することができました。
臨終の日からつごう5日ほどの間に,通夜,告別式,札打ち,なかだんや,そして墓石選びから行政書士との相談まで,てきぱきと事が運んだのは幸いでした。
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