クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

加賀の千代女と、哥川(かせん)~クリン家ドライブ能登半島旅行・8

2017-07-31 | クリン江戸散歩

 「加賀スピリット」を かし(菓子)に包み込む、金沢の

しにせかし(老舗菓子)店、


「森八(もりはち)」

 

 7月後半の、「期間限定菓子」は、石川県で 

いちばん有名な

女流俳人、

 かがのちよじょ(加賀の千代女)の俳句に ちゃくそう(着想)

を 

えた、

ねりきり(練りきり)です  (中は、透明羹

 (銘:「もらい水」


「 朝顔に 釣瓶とられて もらひ水 」 


 女性俳句界では、かなり有名だという、「加賀の千代女」・・

 表具屋の あととり娘にして、10代から 俳句をよくし、

「女芭蕉」と

リスペクトされた

「北陸文芸の女王

は、

 あさがお(朝顔)の句で、その名を 全国区

高めました


句のいみ(意味)は・・

 「朝、水を汲みに行ったら、井戸の釣瓶に 

朝顔のつるが

まきついていたので、

花の命を うばわないよう、

 他家に もらい水をしに、行きました


   と、いうもの 


 実に やさしくて、思いやりがあって、せいそ(清楚)な女子にしか

よめない

句・・


 世の男性は、「おお~~、お千代~~ 女らしい~~~

もだえ

 女性たちは、「そうよ~~、これよ~~大和撫子っていうのは~~

共かん(感)しました


 あさがお(朝顔)の句、のみならず こまやかで、つつましやかな

千代女の句・・


 そこには、朝日のような、明るい品かく(格)が

あります


・「 よきことの 目にもあまるや 花の春 」

・「 春雨や うつくしうなる 物ばかり 」

・「 涼しさや 恥しいほど 行戻り 」

・「 竹の子や その日のうちに ひとり立 」


・・・・・

 さりげなく、毎回・女らしい、千代女です


 そんな・千代女をした(慕)った、一回り年下の

俳句友だち

に、

千代女とは

まったく きょうぐう(境遇)のことなる

女性が いました。


 ここ・福井県三国の「荒井屋」で、ゆうじょ(遊女)を

していた、

かせん(かんじ:哥川)です


 (哥川が晩年すごした・たきだんじ(瀧谷寺)に 行きました


 かせん(哥川)は、三国みなと(湊)が もっとも栄えていた

ころの、

三国・ナンバーワン・ゆう(遊)女 


 そんじょ・そこらの お女郎とちがい、お茶・お花・お香・

いご(囲碁)・書・・・

すべてを 仕込まれた、高級ゆう(遊)女でした 

 とくに、俳句のセンスにかけては ピカイチで、かせん(哥川)は

ダンナ(趣味人の旦那衆)

たちの間で 

有名になり

 年季があける前なのに、句会を開いたり江戸ゆう(遊)学を 

ゆるされたり・・

 スペシャル・たいぐう(待遇)を うけていました


そんな

かせん(哥川)は、

 「 照れ光れ 加賀(千代)越前(哥川)の 月ふた夜 」

江戸でも たたえられたほど・・



 しかし・・、とくべつ扱いをうける・売れっ子 とはいえ、

そこは、

苦界に生きる、女・・


かせん(哥川)の句には、

やはり

さびしい心が

おり込まれます・・


 ・「 きぬぎぬや 見かわす路地の 雪あかり 」


・「 かみゆうて 見れば散りたり けしの花 」


・「 夕顔や われも人待つ 花のもと 」


・「 奥底の 知れぬ寒さや 海の音 」


・・・・・



 ある日、かせん(哥川)は、句会で 千代女に 

出会いました。


 すでに、俳名高かった・センパイ俳人「千代女」は、おそらく

奥ゆかしく、

おおらかで、

すなお(素直)にけいふく(敬服)できる

年上の女性

として、

かせん(哥川)の目には 

映ったことでしょう


 千代女の目にも、かせんは、若く・あでやかで、あたまが良くて

芸も多彩

映ったことと

思われます

(すいそくですが・・)


 「二人が同席した句会って、華やかな雰囲気だったと思うんだよね~

と、

うちのチットは 

そうぞう(想像)して、たのしんでいます



チットいわく、

 「千代女と哥川ってさあ、晩年まで親しくしていたらしいの

 

住む世界が違う女どうし、

よほど気を遣いあわないと

良い関係は、

築けなかったと思うんだよね~。


 きっと心がけのいい、素敵な女たちだったに違いないよ


千代女が

ちょっとでも

哥川を見下したり、憐れんだりしたら

哥川は 離れていったと 

思うし・・

 哥川も、千代女が発する・かたぎのまぶしさを見ても、

それに反発したり、

引け目を

あらわにしたり

しなかったんだろうしね、、


えらいわ


 やっぱ、女の友情は、気遣いと尊敬だよね そうだ 私も

クリンに、

『村上のふくさ餅』、

美味しい抹茶あんの方を

譲るわ


言って、

チットはクリンに

まっ茶あんをくれ、

自分は、

2番目においしい「黒糖あんのふくさ餅」

手に取りました。








(その9、「山中温泉に伝わる伝説」に、つづく)















 










 

コメント (2)
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