宇野千代も あい(愛)した
銘木「淡墨の桜」・・
同じ木を見て、一筆したためた、
昭和の小説家、水上勉の『櫻守』を
今日は とりあげます (名作です)
~あらすじ~
京都。昭和初期。
庭師の弥吉は、
門跡寺院のかかりつけである・植木屋で 働いていましたが、
ある日、
桜の研究家として日本一の名声を誇る竹部庸太郎のお抱えとなり、
以来、桜ひとすじ・ン十年
その間、
結婚したり
兵隊にとられたり
無一文になったり
再び、竹部先生に協力したりしながら、
あちこちの消滅危機桜たちの 延命、助命に奔走・・
弥吉は死ぬまで、桜のために かけずりまわりました。
「寡黙な職人の、ひたむきな情熱をキラリと描く感動秘話」
と、
一言でかたづけていいような ありがちなものではなく、
細やかな教よう(養)と、作者の人徳が透き通った桜文学である
と
読めば、わかります
もちろん
「人間いうもんは、山の木と同じで、放っておくとジャングルにな
つるにまかれて ゆがんでしまう。」
なんていう・名言も
ずいしょに
ちりばめられては いますが・・
そっちに重きをおくよりも、
みずみずしい・ひっち(筆致)と
柔らかい京言葉で
春のあたたかさを
かんじてもらいたい、名文
(・・さいきん、桜を見ても、昔ほど感動しないんだよなあ~
都会の桜も、名所の桜も、、俗っぽくて)
と
おかんじの あなたに・・
山桜のキレイさを 思い出させてくれる作品です
【おすすめ度:】
(※次回は、世阿弥の『西行桜』を、読みます)