「人情話」に 心安らいだクリンは🐻、
つづけざまに、もう一冊
人情時代
宮部みゆき『桜ほうさら』です。
さくらほうさら・・
(どこの言葉)かと思えば、それは、甲州弁の「ささらほうさら」のひねり
で、
そもそもは、「色々あって大変だったね」っていう・いみ(意味)
だそうです。
この主人公は、そんな「ささらほうさら」な
目にあった
若き・さむらい(侍)です
<あらすじ>
時は江戸後期・・ 地方藩士・古橋笙之介は、
父が、濡れ衣で切腹に追い込まれた真相を
探るべく、
江戸に出てくる。
背後には藩内の派閥抗争があり、
それに巻き込まれてい
見えかくれ・・
と、まあ・・ 江戸時代小説には
よくある筋立てで、
実は、かなりはじめのほう
犯人の一人が わかってしまいました
でも そんな表面上のことは さておき、
この物語の「味わうべき部分」は、
主人公を取りまく
江戸の町人連中のあたたかさ
に あります。
ともすれば、黒い巨悪に立ち向かうだけのつらい読み物を、
おもいっきり和らげる
深川の長屋の住人たち・・
これが
わんさか出てきて、いやされるし
主人公も、実直で やさしい侍だから、応えん(援)できます
ざんねんながら・・ 主人公の家族というのが
すさまじく・利己的で、
「肉親だからこその憎しみ」
が
この小説の「隠れテーマ」だったりするし、
・・・
さらに
どうしようもない悪党も 出てきて、
「闇深な言葉」で
主人
いっしょに きずつきながらも、
さいごはスッキリと
読み終える・・
そして、読者は、さくらが
ずいしょう(瑞祥)のように
やさしく場面を 転かん(換)させるのを
見る
そんな・小説でしたね
【おすすめ度:(3.8くらい)】
(※次回は、五味康祐の『桜を斬る』を ご紹介します)