前回、「関東大震災のルポを、あの大正ロマン叙情画家・竹久夢二が書」
という話を しましたが、
こちらの『暗い時代の人々』という本には、
それだけじゃない。
夢二の、女関係抜きの側面なども のっています。
(著者は森まゆみ)
~今日は、本のご紹介です~
この本には、
「1930~1945年の最も抑圧された・暗い時代に「精神
の伝記が、9人分のっています。
竹久夢二は、その4人目で、もちろん、環・彦乃・お葉その他の女性遍歴はデフォルトとして記され
他にも、夢二が社会主義に傾倒し、大逆事件のお通夜を催したとか
彼が一個の思想家であったという・知られざる側面に スポットが当てられています 夢二以外の8人は?といえば、やはり、いずれも戦前の日本社会の矛盾に声を上げ
、
それによって、辛い目に合った人たち・・
しかしながら
自分というものを持ち、たたかった人たち
が やはり取り上げられており
これが、すばらしい・じんせん(人選)でした。
竹久夢二と親交のあった山本宣治(治安維持法に反対して右翼に殺
反軍演説で衆議院議員を辞めさせられた斎藤隆夫
民本主義の吉野作造
社会主義運動家の山川菊栄、九津見房子
反ファシズムで喫茶店フランソアに集った文化人
リベルタンで文化学院の創始者・西村伊作
唯物論研究者・古在由重
という、
歴史を知っていれば・うなってしまうような ラインナップです
そして、そこに、彼らへの敬意を込めた文章が つづられています。
森まゆみさん・・谷根千のエッセイスト。文京区の博学者さん、
っていうイメージでしたが、
彼女の、せんがん(選眼)のたしかさと👀
人としての地の良さが あらためてきわだつ、
そんな一冊でしたね。
(※20世紀初頭の暗い時代のドイツに生きた知識人をラインナップした、ハンナ・アーレントさんの同名作品『暗い時代の人々』にインスパイアされた著作であることは、間違いありませんね。
その日本版、といったものでした~)