昨夜は金曜ロードショー「最高の人生の見つけ方」を観ました。
題名からしてアザトイし、あまり面白くなさそうだけど、他に観るものもないし。ホゲェと見始めたところ、開始10分で完全にストーリーに引き込まれた。
洋画っていつも途中で集中力が切れてしまうのだが、この作品は2時間がものすごくアッと言う間でした。
出来ればもっとこの2人の旅を見ていたかった。
素晴らしい映画でした。
ある一つのもの以外は全て手に入れた男と、凡てを手に入れる代わりにただ一つのものを手放した男。それぞれが自らの生命の期限を言い渡された時から物語が始まる。2人は死ぬまでにやる事をリストにし、旅に出る。
旅路の最中にそれぞれの価値観を巡り、交わされる考え方がとても胸を衝く。決して交わらない考え方がほんの少し触れあう時、男たちは少し互いに理解し合う。とても純粋に。
どことなくカラマーゾフの兄弟におけるイワンとアリョーシャを思い出しました。ゾシマ長老の死とイワンの大審問官。
魂が還るべき門前に立たされたとき、投げ掛けられる2つの問い。
そして三ヶ月前までは全く知らなかった最愛の友の死を前にし、己しか信じられなかった男が部下に問う、「神曲を読んだことがあるか?」
その問いの真意とは。
問いとは関係ないけど、清水書院が出版している、人と思想シリーズ「ダンテ」の中にこう記述されています。
ダンテは死の床によこたわりつつ、もう一度一生を回想してみた。楽しい思い出としては少年時代の交友、ベアトリーチェとの初恋、カウ゛ァルカンティを始めとする詩友とのつきあい。そして苦しい思い出。それらが走馬燈のように頭を駆けめぐった。
そして旅行好きな彼が追放後に各地を巡って眺めた数々の一つひとつが、鮮明な形と色で甦ってくるのを感じた。
もう一度、神曲を読み返したくなりました。