というわけでスタジオ当日。場所は所沢駅付近。
2時間で1人2400円ちょい。所沢という場所柄なのか、とても安い。そんなもんだったかな?
防音扉の重々しいハンドルを下げ、スタジオの中に入る。入った瞬間に懐かしい匂いがした。どこのスタジオに行っても同じような匂いがするが、未だにその匂いが何によるものなのかよく分からない。アンプ?
とりあえず一服と思ったが、入口付近に掲げられた禁煙・飲食禁止の張り紙がしてある。昔はタバコ吸いながら飲み物飲んで練習してたけど、アナーキー(死語)たちも時代の流れには逆らえんか。まぁ日本に住んでてアナーキーも何もないけど。
さて、とりあえずまず初めにやる事はどのパートも楽器のセッティングである。ドラムはもう9割セッティング済みなので、自分好みにイス・太鼓・シンバルなどの高さを調節するのみ。いや、実際はタムの角度やら太鼓の張りなどいろいろ調整すべきなのだろうが、練習終わったら全てニュートラルに戻さないといけないので、あまりヘタにイジらないのが正解。コーボー、筆を選ばず。
一通り調節も終わり、しげしげとドラムを眺める。それぞれの名前はさすがにまだ憶えているだろう。一番左側のハイハット・シンバル。リズムの要である。ここでビートを刻んでいく。ボクシングで例えるとジャブみたいなものである。
その右がスネアドラム。ドラムの中で一番目立って聞こえてくる音。
その上に2つ並んでいる太鼓がタムタム。その下の大きい太鼓がム・・・なんだっけ。スネア→タム左→タム右→下と徐々に低い音になっていくので、スネアとタムを混ぜると音に厚みがでます。
その上にあるシンバルがライドシンバル。上の左右にもシンバルがありますが、この2つはクラッシュシンバルで、ほんとに何かがクラッシュしたような派手な音がでます。曲の流れが変わる部分や盛り上がってるサビでよく使います。
それに比べてライドシンバルは分厚くで固いので、ジャシャーンという音ではなくカンカンという高くて固い音がでます。個人的に透き通ったようなイメージの曲でよく使われてるかなと思います。このライドシンバルを裏打ちするのが好きです。
一番下にあるのがバスドラム。足でペダルを踏みこんで音を出します。通常はベースラインとシンクロしていく感じなので、普通に聴いていると聞き取りづらいかもしれないが、まさにリズムのリードパートです。
なんか若干忘れている部分があったような気もするが、だいたい憶えている。まぁ「だからなんだ」という話ではあるが。
そうして各自セッティング終わった人から個人練習が始まる。僕もボイスレコーダーをセットして練習開始。自分の演奏を客観的に聴くことが上達の一歩である。要はまず自分のヘタさを知れ、と。
1時間ほど無心で個人練習を行う。やはりダメだ。頭は悪いじゃなくて、頭の中のイメージ通りに手足が思うように追いついてこない。もちろん想定内であるが、こうして実感としてしまうと、いささかショックではある。
まぁ20年といえば、生まれたての子供が成人になる年月である。なかなかの時間だ。ドラムの1つや2つ叩けなくなっていてもなんら不思議ではない。開きなおるわけではないが、村上春樹氏の小説から引用すれば、行動の反復によってのみ偏在的傾向の普遍化は可能なのだ。つまり特殊な技術というのは繰り返し何度も何度も練習するしかない。
ただただ個人練習で終えるのも勿体ないので、何か適当に合わせてみようかという話になったが、共通で知っていてすぐできそうなのはNirvanaくらい。Nirvanaと言えばSmells Like Teen Spirit。ということで、ギターがおもむろにイントロを弾きだす。
ドラムは最初だけちょっとテクがいる。スコア見てないので聞こえるがままに叩いてみたが、バスドラが追い付かずにグダグダになってしまった。とにかくリズムに乗れていないのをヒシヒシと感じる。そうかぁ、リズム天国やってたんだけどなぁ。
とりあえずこの日はこんな感じで終了。その後の飲みの席で、各々納得いっていない様子だったのでとりあえず課題曲1か月後を目処に再度スタジオ入ることになりましたとさ。