大手町の事務所を片付けてると、
不思議なことが。
ラミネートの箱があるけど、
中身がどこにもない。
ラミネートするパッケージもあるけど、
やはり本体はない。
ラミネートなんか使ったっけなぁ?
でも物的証拠から推理すると、
ここにラミネートがあったと判断せざるを得ない。
と、なるとラミネート大好きNくんが何か知ってるに違いない。
Nくんは暇さえあればラミネートしてる子なのだ。
久しぶりにNくんに電話してみよう。
数十回のコール後にNくんが出た。
「お久しぶりです!」
おお、なんか元気だ。
「やぁ、元気そうだね」と僕。
「バリバリっ元気っスよぉ!」とNくん。
テンション高っ。
バリバリって久しぶりに聞いた。
脱北者は(N所長管轄は一部で北朝鮮と呼ばれている)
これほど変わるものなのか。
そうは言ってもNくんの移動先にもN所長並みの
強烈な所長がいると聞いていたけど。
「どうなの?うまくやってる?」と僕。
「バリバリっす!」
バリバリ小僧か。
元気になったのはいいけど、
ボキャブラリーの後退を感じる。
何を聞いても「バリバリっす」しか言わなそうなので、
さっさと本題にはいることに。
「ところでさ、今、大手町の事務所を片付けてるんだけど、
ラミネートって持ってきた?箱とパックはあるんだけどさ」
「ああ、持って来たんですけど、中身なかったんスよ」
へぇ。
「ああ、そう、ないならいいんだ。悪いね、忙しいのに」
「いいっスよ!気にしないでください」
してねぇよ。
なんでちょい上から目線なんだよ。
「今度飲みにいきましょうよ!」とNくん。
おお、何度か一緒に飲んだことあるけど、
Nくんから誘って来るのは初めて。
これも脱北効果か。
「ああ、いいよ。今はちゃんと休めてるの?」
「休めてますよ!今は水曜が定休っス」
「じゃ、火曜日に行こうか」
「来週っスね!」
ら、来週!?
いや、ちょっと忙しいかも。
「いや、ちょっと来週は分からんから、また連絡するよ」
ということで、社交辞令にならないようにしなければ。