集落から少し離れたところに住んでいるので、
ここでは野良猫はあまり見かけません。
(山猫も、まだ見たことないです…)
あれは何年前だったかな。いきなり山の奥から
白黒の猫がにゃあにゃあ鳴きながら出てきて、
ごはんをあげたらガツガツ食べて、そのまま
縁側に居ついてしまったことがあります。
かなりやつれて汚れていました。
首に最近手術した痕があり、まだ抜糸もしていない。
もしや病院から逃げてきたのでは?と思って
知っている限りの獣医さんに問い合わせたのですが
わかりませんでした。
その「ぼろみあ」(と勝手に名前をつけた)は
まだ若いらしいオス猫で、みょうにのんきで人なつこく、
平気で膝にのってきたりもするのです。
どこかのおうちで可愛がられて育ったに違いありません。
捨て猫だったら、手術してから捨てないよね…。
ローカル紙に「迷い猫あずかっています」という記事を
出してもらったところ、数日して、飼い主がわかりました。
直線距離にして7~8キロは離れたおうちでした。
よその猫とのケンカで大怪我をして、病院から帰ってきて
すぐ行方不明になったそうです。
一般に猫の行動半径は100~500メートルといいます。
どうやってここまで来たんだろう。
歩いて、だよね、もちろん。
猫は道路を歩くとは限らないし、まっすぐ歩くとも限らないけど、
どこをどうさまよって、どうしてうちにやってきたのか、
猫語会話ができたらぜひぜひ聞いてみたかった。
すべては謎のまま、ぼろみあ君は飼い主の女の子に
甘えてしっかり抱っこされて去っていきました。
ときどき思い出します。
元気にしてるかな。
またケンカしてないかい、ぼろちゃん。