おでんに何を入れるか、というのは、
おうちによってほんとにいろいろで面白いです。
手羽元を入れるのは、結婚してまもないころに、
近所の人がおでんを鍋ごと差し入れてくださったことがあり、
それに入っていたのを真似したのです。
「うちのおでんはギョウザが入る」という人がいました。
「えー、ギョウザ? シューマイなら普通だけど」という人も。
わたしはそれどっちも普通でないと思う。
(すき焼きにもやしが入るのも変だと思う。
あ、でも、すき焼きに大根は普通…じゃないの?)
子どもがうまれて最初の冬は、
おでんとおにぎりの夕食がとても多かったです。
だってほら、簡単だし、作り置きできるし、
なにより「片手で食べられる」じゃありませんか。
猫ぐらいの大きさの、まだ歩きもしない赤んぼひとり、
なんでそんなに手が離せなかったのかって、
いま思い返すと不思議でなりません。
その「猫ぐらいの」が、来春にはもう高校を卒業する。
どうやらその後の行き先も決まったようで、
大都市近郊で自炊して暮すと言っておりますよ。
早いなあ。
Mは、むかしむかし若~いころですが、
おでん屋さんで「食い逃げ」したことがあるそうです。
(とっくに時効だからここに書いちゃってもいいよね?)
友だちとふたりで飲んでいたら、ちょうどその日は
大学対抗の野球か何か決勝戦があった日で、
勝った側の応援団がお店で騒いでいたんだって。
それで「W大バンザーイ! お先に失礼しまあす!」
とかなんとか言いながらどさくさまぎれに
お勘定払わないで出てきちゃったって…。
まあ双方とも酔っ払っていたのですね。
そのとき一緒に逃げた悪友は、
いまは渋谷でカレー屋さんをしています。