本日の「ことこと」は黒豆を煮ます。
市販のおせちはいろいろありますが、
たいてい食べられないくらい甘すぎる。
とくに、黒豆ときんとんは、
食べたかったら作るしかありません。
気の張るお客様にお出しするわけではなく、
ただ自分で食べる目的で作るので、
豆は大粒の高級品でなくてもかまいません。
黒々とつやつやとできなくても、
皮が破れても豆が割れてもかまいません。
かまわなければ、煮豆はとても簡単です。
前の晩から水に漬ける、というのを忘れなければいいだけ。
漬けた水を替えて、さっと煮立ててあくをとったら、
圧力鍋で、落としぶたをして、きっちり8分加圧。
すぐ鍋に水をかけ、圧力を下げてふたを開けてしまう。
もう豆は舌の上でつぶれるくらい柔らかい。
そこにお砂糖を、まずは半量入れて、
様子をみながら豆の7割くらいまで足していきます。
頼りないほど柔らかい豆がほどよく煮しまって、
おいしくなるまで2日かかります。
仕上げに醤油を、と本には書いてあるけれど、
ブランデーをたらしてデザート風にするのも好きです。
昨年「凍りこんにゃく」の入手法を教えてもらったので、
どうしようかとずっと迷っていましたが、
結局注文しないで、黒豆だけを煮ました。
久しぶりに食べれば、なんだこんなものだったかと思うでしょう。
思い出の味は、もう思い出だけにしておこう。
若旦那が台所をのぞいて
「なんかお正月っぽい匂いがするわねえ」
と言っていきました。
そう、お正月を特別な日にしておくために、
他の季節は絶対に絶対に黒豆を煮ないのだよ。
きんとんはそれほど好きではないので省略。
かわりに素朴なりんごケーキを焼くのが恒例。
あとは、そうそう、かずのこの塩出しをして、っと。
紅白なますと、お煮しめを作れば、
お正月っぽい匂いは完成です。