閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

梅干

2008-07-15 09:59:11 | 日々

久しぶりに梅干を作る。
といっても自分で作るのはこれが二度目。

前回は20年くらい前のこと、まだ若くて元気だったので(笑)
はりきってたくさん漬け、1個1個をしその葉で包むなど
凝りに凝り、ぜんぶ消費するのに何年もかかった。
わたしはしょっぱいものが苦手なので、梅干はめったに食べない。
(そう言っててオリーブは食べたりするんですが…)
たまに1個刻んで梅あえに使うくらいだから、なかなか減らない。

最近、Mが梅干を食べるので買ってくるが、
市販のは妙に甘ったるかったり、調味料が好みでなかったり。
地場産品の売店なら素朴な梅干が手に入るけれど、
どうもあたりはずれの差が大きく、このまえ買ったのなんか、
かちかちにひからびて皮と種ばかりであった。
「こんなのだったら、うちで作る!」と宣言し、
今年は上等な梅の実を仕入れてきた次第。

梅1キロに、塩は15パーセント。
伝統的な梅干の基準からいうとかなり低塩なので、
「呼び水」としてホワイトリカーを注ぐ。
ほんのり梅酒っぽい香りがして、カビよけにもなる。
重石をかけ、梅がとっぷり浸っていれば、まず安心。

こうして漬けた梅を、梅雨が明けたら天日に干す。
それはまだ先のこととのんびりしていたら、
ここ数日の猛暑に、あれ? もう梅雨は明けたんだっけ?と、
あわてて赤じそを買いに行く。忘れていた。
これを入れないと赤い梅干にならない。

根つきの大きな一束を買い、帰って包みをほどくと、
中はひどくしおれていて、ばらばらと葉が落ちる。
あらあ、どうしよう。安いと思ったら古かったかな。
葉だけ摘みとり、水でざぶざぶ洗い、ざるにあげておいたら、
みるみるうちに生き返り、しおれた葉っぱがしゃんとして、
量がふえることふえること。

赤じそは、塩もみしてあくを抜く。
このとき出る汁は黒ずんだ紫で美しくない。
最後にぎゅっと絞ると、大きなざる二はい分もあったのが、
ほんの二にぎりになってしまう。
これに梅の漬け汁を入れてもむと、こんどは酸の作用で、
驚くほどあざやかな赤い色がどんどん出る。
色水実験のようで、とても楽しい。

ほんのり赤く色づきつつある梅。
この赤い汁、赤梅酢というのが欲しかった。
きゅうりやなすを即席漬にするときに、
まず軽く塩でもみ、そのあと赤梅酢としょうゆに漬けて
半日もおくと、しば漬け風のお漬物ができる。

さて、梅干、干すのは、いつになるでしょうか。
暑さと陽射しにきわめて弱いわたしも、
こればかりは、かんかん照りのお天気が欲しいのであります。

コメント
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