TPOに合わせて、というほど数があるわけでもないし、
よそゆき、といっても滅多によそへは行かないのですが、
その「よそゆき」のハンドバッグのうちのひとつ、
黒のラム革の、きわめて柔らかいポシェット風のもの…
これがまあ、たいそう手のかかる子で、
ちょっと放っておくとすぐにご機嫌が悪くなります。
温暖で多湿な土地柄。
しかも山の中で、木々にかこまれ、すぐそばには川もあるので、
どうしても家の隅々に湿気がたまります。
椎茸の栽培に適しているくらいだから、カビとか苔とかキノコとか、
そういう方々にはきわめて居心地の良い環境なのですね。
ここに引っ越して1年目、革装の辞書が丸ごとカビたのに
ショックを受け、革製品は一切持たないことに決めました。
でも、ある程度の年齢になると、やっぱり本革がいいなあ、と
たまに思ったりもするようになるわけで。
要するに、手入れさえ怠らなければいいのだ。
と、決心して、革製品もまたひとつふたつと増えました。
梅雨どきはもちろんのこと、真夏も、秋の長雨も油断できません。
冬場を除き、たびたびご機嫌伺いをして、無事を確かめ、
少しでも怪しい兆候があればすぐさま対処。
別にブランド品でも何でもないお手頃価格の品ばかりですが、
気に入って買ったもので、たぶん二度とめぐり会えないから、
少しでも長く使いたいと。
努力のかいあって「開けてびっくり」はさすがに減りました。
ところが、数年前に仲間入りした黒ラムちゃん。
この子はいわば虚弱体質で、通常のお世話では駄目なんであります。
からりと晴れたので、風をいれましょうと洋服だんすを開け、
念のためにバッグの戸棚も開けたら、あららら…。
みんな同じところに入れてあるのに、黒ラムちゃんだけ、
どうしてこんなにカビ君と仲良し?
ベランダに持ち出し、クリーナを薄くつけて慎重に拭いていると、
何やら妙に重くひっかかる手ごたえ。
見れば、共革の飾り房(シマウマのシッポ風)の先に、
さも嬉しそうに食いついている茶々姫が…。
あーあーまったくこれだからねーもうっ!
よそゆき、といっても滅多によそへは行かないのですが、
その「よそゆき」のハンドバッグのうちのひとつ、
黒のラム革の、きわめて柔らかいポシェット風のもの…
これがまあ、たいそう手のかかる子で、
ちょっと放っておくとすぐにご機嫌が悪くなります。
温暖で多湿な土地柄。
しかも山の中で、木々にかこまれ、すぐそばには川もあるので、
どうしても家の隅々に湿気がたまります。
椎茸の栽培に適しているくらいだから、カビとか苔とかキノコとか、
そういう方々にはきわめて居心地の良い環境なのですね。
ここに引っ越して1年目、革装の辞書が丸ごとカビたのに
ショックを受け、革製品は一切持たないことに決めました。
でも、ある程度の年齢になると、やっぱり本革がいいなあ、と
たまに思ったりもするようになるわけで。
要するに、手入れさえ怠らなければいいのだ。
と、決心して、革製品もまたひとつふたつと増えました。
梅雨どきはもちろんのこと、真夏も、秋の長雨も油断できません。
冬場を除き、たびたびご機嫌伺いをして、無事を確かめ、
少しでも怪しい兆候があればすぐさま対処。
別にブランド品でも何でもないお手頃価格の品ばかりですが、
気に入って買ったもので、たぶん二度とめぐり会えないから、
少しでも長く使いたいと。
努力のかいあって「開けてびっくり」はさすがに減りました。
ところが、数年前に仲間入りした黒ラムちゃん。
この子はいわば虚弱体質で、通常のお世話では駄目なんであります。
からりと晴れたので、風をいれましょうと洋服だんすを開け、
念のためにバッグの戸棚も開けたら、あららら…。
みんな同じところに入れてあるのに、黒ラムちゃんだけ、
どうしてこんなにカビ君と仲良し?
ベランダに持ち出し、クリーナを薄くつけて慎重に拭いていると、
何やら妙に重くひっかかる手ごたえ。
見れば、共革の飾り房(シマウマのシッポ風)の先に、
さも嬉しそうに食いついている茶々姫が…。
あーあーまったくこれだからねーもうっ!