童話集『お月さまのさんぽ』(土田義晴・絵/あかね書房/2000年刊)から、「ねこのおしごと」と表題作「お月さまのさんぽ」の2篇を、元民放アナウンサーの村上裕子さんが朗読してくださいました。
https://www.youtube.com/watch?v=UUMWVglnMLk
『お月さまのさんぽ』は、短いお話が8篇入った「おはなし8つ」シリーズ3冊のうちの1冊です。
もともと読み聞かせを意識して書いたものですが、実際に子どもに読んでやったことはなく(もう高学年になっていたからね)、誰かに読んでもらったのも初めてなので、「耳で聴く」ということがとても新鮮でした。
幼稚園にあがる前だったか、NHKラジオで、午前中に子ども向きのおはなしの時間があって、昔の真空管ラジオのスピーカー部分をじーっと見つめながら聴いていたのを思い出しました。
ときどき、ラジオ局から、絵本の朗読をしたいという申請をいただきます。自作を取り上げていただくのは嬉しいのですが、なぜラジオで「絵本」を? 絵を見せることができないのに? といつも疑問に思ってしまうのです。
これは何度も書いていることですが、絵本というのは「文」と「絵」を合わせてひとつの作品になっているので、本来どちらか片方では成り立たないもの。ここは絵から読み取ってほしいと思ったら、文を省略することもあります。絵を見せない朗読では半分(以下)しか伝えられません。
大人だったら、文章だけ聴いて絵を想像する、ということも、面白いかもしれない。ふだん絵本などに縁のない人が、ふと耳にして興味を持ってくれれば、それだけでもいいかもしれない。でも、子ども向けの番組だったりすると、「なぜわざわざ絵抜きの絵本を子どもに?」と、疑問がますます大きくなります。
絵本は、短いからちょうどいい、のかな。それだったら、同じくらい短い「おはなし」を読んでくれればいいのになあ。
ということもあって作ったのが、この「おはなし8つ」シリーズと、そのあとの「よみきかせぶっく」シリーズだったのですが…
えーと、残念ながら、というか、例によって、すでに1冊を除いてすべて「品切れ・重版未定」になっておりますので、興味を持ってくださった方は、古書店か図書館などで探してみてくださいませ。
…と、もうひとつ。
こちらは金の星社の絵本をまとめて6冊、やはり元アナウンサーの青山祐子さんが読み聞かせしてくださっています。
https://www.youtube.com/channel/UCaYmZ_9DdkfbRFGB_r_Ssog/videos
うーん、個人的には、うしろの棚が気になって集中できない気がするけど(笑)
まあそれは人それぞれ、好みの問題ですから。
そして、これも前に書きましたが、「読み聞かせ」というのは「動画を見せること」ではありません。いまはまだ非常事態が続いていて、どこのおうちも大変だから、ちょっとお手伝いしましょうか、という形で、こうした動画が作成されており、場合によっては著者も出版社も許可していますが、これは一時的なものです。
暮らしが落ち着いたら、ぜひ動画ではなく実体のある本を、子どもと一緒にページをめくって、ゆっくり楽しんでいただきたいなあと願っています。
どちらの動画も、いちおう「休校期間中限定」ということになっておりますので、視聴される方はお早めにどうぞ。