グッモーニン。
染井吉野にかわって、山桜がつぎつぎと満開になる。
あっちの山も、こっちの山も、いろんな種類の山桜が重なりあって咲き、どこ見ていいかわからないくらいだ。
朝日に匂ふ山さくら花。
***
毎年、桜が咲き始めると、小鳥のお接待は終了し、餌台はそのまま寝具店になって、こんどは巣材の猫毛を提供する。
今年は寒い日もあったので、うちの猫どもはまだ冬毛を脱ごうとしない。猫の数も減ったから、たいした量は用意できなくなったけれど、去年の残りが少しあったので、とりあえず網袋に入れて出してみたら、たちまちヤマガラがとりに来た。どこで見ていたのか、反応の早さに驚く。
せっせとついばんで、大きな球にしてくわえて行き、行ったかと思うと戻って来る。5回か6回繰り返し、そのあとぱたっと来なくなる。みつけたときにある程度の量を運ぶだけ運んでしまい、そのあとゆっくり敷き詰め作業にかかるのだろうか。
アトリエの巣箱はヤマガラ。染井吉野の巣箱はシジュウカラ。小鳥の世界でも、南向きの日当たりの良い物件は好まれるようだ。
ツルニチニチソウ。
どうもこの名前が発音しづらく、「ツルニチ」と短縮形で呼んでいる。
小学生のとき熱心に読んでいた翻訳児童文学…たぶん『メアリー・ポピンズ』ではないかと思うけど、その中に「ニチニチソウのような青い目」という表現があった。
それで、ニチニチソウの花は青、と覚えていたのだが、そういえば、ニチニチソウってピンクか白しか見たことがない気がする。青いニチニチソウって、あるのだろうか?
調べてみたら、ペリウィンクル・ブルー(=明るい青紫色)のペリウィンクルというのが、どうやら(日本でいう「ニチニチソウ」ではなく)この「ツルニチニチソウ」のようなのだ。
「ニチニチソウ」とは、つるのあるなしだけでなく、おなじキョウチクトウ科でも属が違うらしい。ニチニチソウが熱帯原産で寒さに弱いのに対し、ツルニチはヨーロッパ原産だから、イギリスの話であれば、こちらの可能性が高いかも。
ということで、『メアリー・ポピンズ』のいったいどこに「ニチニチソウ」が出てきたか、ということが気になり、このあいだからあちこちめくってみているのだが、いっこうにみつからない。
わたしが持っているのは岩波書店の、ものすごくぶあつくて重い本で、文字も(いまどきの子どもの本と比べれば)びっくりするほど小さい。
当時9歳の閑猫ちゃんは、これをほくほくと抱え込み、何回も何十回も繰り返し読んで飽きることがなかった。
しかし半世紀以上たって読み返すと、内容的にもかなりびっくりするところが多く、いまから90年近く前に書かれたということを差し引いても、これって本当に子どもの本なのか?と思わずにはいられない。
第1章でいきなり風にのって登場した主人公は、つっけんどんでうぬぼれ屋で我が強く、子どもたちには厳しく、いいところがほとんどない。しかも、半ば強引に押しかけてきてベビーシッターになったのに、第2章では早くも休暇をとり、マッチ売りのバートと半日デートしてるんですからね。
本日のコマ吉。
あごのせてる寝。
くーすー。