閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

大根ごはん

2008-01-16 10:05:18 | 日々

これはいつどこで覚えたんだっけ。
冬場にときどき作る炊き込みごはんです。

大根を太めの千切りにして、
油揚は湯通ししてからざくざく刻んで、
浸水したお米に全部まぜて、
おしょうゆと酒をいれて炊く。それだけ。
大根の葉っぱを別にゆでて刻んでおいて、
食べるときに混ぜると、あざやかな緑がきれいです。
葉っぱがなければ、海苔など散らして。
(ですが、畑に大根があれば葉っぱも必ずある。
むしろ葉っぱが多すぎて困るので…)

「おしん」で有名なあれですね、っておっしゃる方が
ありますが、わたしはそのドラマは見たことがないので、
昔のはどういうのだかわかりません。
そうね、お米より大根が多かったら嬉しくないかも。
うちでは白いごはんはあまり人気がなく、
炊き込みごはんなら具材は何でも喜ばれます。

大根ごはんに、ふと思いついて半熟目玉焼きをのせたら、
とろとろの黄身の色が加わってさらに美しい。
きれいでおいしくて、ほんとにいいなあ。
あとは、ほうれん草の和え物、ねぎとじゃがいものスープ。
わたしは肉類を食べないので、晩御飯はこんな感じです。
他の二人にはメインにポークの中華ステーキを作りました。

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金柑

2008-01-12 09:09:59 | 日々

畑のそばの金柑の実が、
いつのまにかひっそりと色づいている。
ひとつもぎとり、かじると、香りがはじける。
ほろ苦い。ほの甘い。きゅっと酸っぱい。

金柑には遠い日の「ごほうび」のイメージがある。
神戸の、家からずうっと南にあった魚崎の市場は、
近所のほんの一並びしかない市場より大きくてにぎやかだ。
幼い子の日常のほんの少し外側に魚崎市場はある。
歩いて行ったのかバスに乗ったのかおぼえていない。
魚崎市場に行く。
良い子にしていれば金柑を買ってもらえる。
たのしみ。

金柑は赤い糸で編まれた小さい網袋に入っている。
その袋もまた「ごほうび」にふさわしく可愛らしい。

 まんじゅうもろたら皮あげよ
 きんかんもろたら身ィあげよ

わらべうたにあるように、金柑は皮あってこそ金柑。
すっぱくて種の多い身ィだけもらってもうれしくない。
だけど皮だけでもしょうがないだろう。
いくつも食べると舌がしびれてぴりぴりしてくる。
からになった網袋は、金柑以外のものを入れるには
まったく役に立たない。

近所の八百屋でも売っていたのかもしれないけれど、
わたしの記憶では、なぜか金柑といえば魚崎市場、
魚崎市場といえば金柑で、だから季節はいつも冬だ。

市場の出口付近に、駄菓子屋のような店があって、
安物のおもちゃの指輪を売っている。
通りすがりに目を奪われる。
母はそこではめったに立ち止まらない。
ルビーにサファイア。ダイヤに真珠。
虹の浮かんだ乳白色のオパール。
オルゴールの宝石箱の中に、そんなのを一通り持っていた。
金柑のない季節に指輪を買ってもらったりしたんだろうか。

大人になってからは指輪はひとつも持たない。
あ、ひとつだけ、小さい珊瑚の玉のがあるけれど、
指にはめたことは一度もない。

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温暖化

2008-01-11 10:54:17 | 日々

この数日、奇妙に暖かい。
だめだ、今年も切り干し大根がつくれない。

からっと晴れて、しかも、寒風吹きすさぶ、
という感じでないと、干し物はうまくできません。
とりこんでストーブのそばでせっせと乾かしても、
それは乾いたというだけで、干したのとはやっぱり違う。

ここ数年。いや、もう10年くらいかな。
風は吹いても長く続かなくなったし、気温高めで、雨が多い。
そういえば今冬は電気ひざ掛けを出していませんでした。
まだこのあとに厳しい寒さが来るのだろうか。

たんぽぽが咲いています。
観測史上もっとも早い、とニュースで言っていました。
え、これは早咲きなの? 狂い咲きではなくて?

よく見ると他の植物も、完全に枯れきっていないで、
そのままもう春に向かって動き始めている。
もともと暖地とはいえ、この様子は少しおかしい。
あまりにも雑然とした緑がおかしい。
寒くないのは歓迎だけど、このままどんどんいくとみんな
24時間年中無休のコンビニみたいになってしまいそう。

暖かいので、畑の野菜が長もちしない。
巨大なブロッコリを「狩って」きて、とりあえず茹でる。
大根のサラダと、かぶのポタージュと、あと何を作ろう。
水菜と春菊まで手がまわらない。
白菜は外葉をむいてもむいても虫食い穴だらけ。
虫も年中無休になった。

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黒猫ボタン

2008-01-10 13:14:37 | 日々

漫画家R氏にいただいた3匹の黒猫ボタン。
可愛いです。
何につけようかなあ。

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そしてまだ壊れる

2008-01-10 09:08:47 | 日々

年末に修理に出したアンプとノートパソコンは
どちらも元気になって帰ってきました。
パソは修理代がなぜか全額「値引き」となっていて、
往復の送料もすべて無料で直してもらえました。
もう保証期間は過ぎているはずだけど、いいのかな?
よくわからないけれど、とにかくめでたし。

車の車検をすませ、ふとMの使っている軽トラックのことが
気になったので、窓に貼ってあるシールを見たら、なんと!
1年半も前に車検が切れたまま、定期点検もしてませんよ。
「あれえ…そうだっけ?」と本人はいたってのんびり。
(軽トラはマニュアル車なので、オートマ免許のわたしは
めったに近寄らないのです)
年末にすべりこみで整備工場に頼む。
「へへへ。何もなくてよかったねえ」
ベテラン整備士Yさんに笑われる。
だから、教えてくれなきゃ駄目なんだってばYさん!

で、年明けて、まず壊れたのが、若旦那の携帯。
見るからに壊れやすそうな薄っぺらい機種で、
何度か落としたりぶつけたりもしているから、
9ヶ月も壊れなかったのが不思議というべき。
ショップに駆け込むと、聴診器をあてたり
レントゲンとったり(?)していろいろ調べてくれる。
「これは直せません」との宣告で、あっさり新品とお取替え。
代金は100円。
それって「お賽銭」じゃないですか。
いまどき自販機のジュースだって120円払うのに。

アトリエのMから、緊急救援要請。
ビスタ君を起動したら「内部エラーが発生した」とかいう
見たことのない表示が出ているそうだ。
次はこれか!と思う。
でも行ってみたらどうということのない普通のエラーでした。
やれやれ。
ほっとしたのか、がっかりしたのか、よくわからない。

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小さい金色のディクショナリィ

2008-01-09 08:23:10 | 日々

「ポパイのほうれん草」と並んで謎だったのが、
「トムとジェリー」に出てくる「三角で穴あきのチーズ」。
チーズだといわれて、チーズだと理解はしている。
だけど、感覚的には納得しきれず見ている、あの感じ…。

アメリカにLittle Golden Booksという薄い絵本のシリーズがあり、
その何冊かを、いまでも持っています。
小学校にあがった頃かな、買ってもらったのは。
その1冊、表紙に「Words」とあるのは、ことばの絵本。
カテゴリ別にいろんなものの絵と、その名称がかいてあります。
「色」から始まって「家族」「着るもの」「身体の各部」「植物」などなど。
紙は粗末だけれど、絵は繊細で、色がとてもきれいです。

「食べるもの」のページに「チーズ」がのっている。
やっぱり三角の穴あきチーズ。
そうそう、チーズのほかに「パイ」と「プディング」も謎でした。
パイは上が格子状じゃなく一枚の皮でふたしてあり、中身は不明。
プディングは…ええと、なんていえばいいんだろう、
深めの器に白い液体(クリーム?)が半分入っていて、
真ん中にピンク色の島のような物体がのぞいている…
これは今でもよくわかりません。
いわゆる「プリン」と違うことだけは確か。

もう1冊、同じシリーズの「Picture Dictionary」は、
1ページを8コマに区切ってABC順に
airplaneからzooまで176語を並べた絵辞典。
穴あきチーズはCではなくMのmouseのところに登場します。
この本で長らく謎だったのは、Jの項にあるjacksかな。
おはじきのような(丸くはない)もので女の子が遊んでいる絵。
それとjack-o'-lantern(かぼちゃちょうちん)も、
ハロウィンが普及する前はわからなかったなあ。

どちらの本も24ページ。厚さ約5ミリ。29セント。
読めなくても、飽きずにひたすら眺めていました。
ことばは、ただ「単語」だけの問題じゃなく、
その国の暮らしや文化の全体を含むものだということを、
子どものわたしに教えてくれた大事な絵本。

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ほうれん草の謎

2008-01-07 10:32:08 | 

七草の朝。曇り空だけれど風がなく暖かい。
ほうれん草を摘みにいく。

…このように書くとまるで野草のように見えますね。
ほうれん草は、野菜なのに「菜」の字がつかない。
なぜだろう。

最近のほうれん草は、根元が赤くなく、
葉も切れ込みが浅く幅が広いのが主流のようです。
畑に植えたまま、大きい葉っぱを一枚ずつ選んで摘んできます。
片手に持てるだけ。
両手に抱えられるだけ。
ゆでるまえに、しばらくボウルにいけておく。
台所にこんもりと濃い緑の森ができる。

ポパイの食べるほうれん草は、子どものころ、大きな謎でした。
ピンチになると、どこからともなく缶詰を出して、
(あれ、どうやって開けるのだったかな?
缶切りも持っていたっけ?)
中身を一気に喉に流し込む。ごくごく。
そうするとたちまち勇ましいテーマ曲が鳴り響き、
ポパイは悪党を海のかなたへ投げ飛ばしてしまう。

ほうれん草で力がわいてくるものかどうか、ということよりも、
ほうれん草が缶詰になっているということのほうが謎だった。
いまだによくわからない。
ペースト状らしいけれど、味はついているんだろうか。
アメリカでは他の野菜もこういう缶詰になっているんだろうか。

スピルバーグの「A. I.」という映画は、未来社会だけれど、
子どもがほうれん草あえのスパゲッティを食べさせられている。
それもぐちゃぐちゃな緑色のペースト状のほうれん草。
ロボットの子が、人間の子の真似をして同じものを食べて
故障してしまうのでした。
(でもあれはひどく後味の悪い映画だったな…)

ほうれん草をゆでて、ブロッコリをゆでて、
大根、かぶ、白菜、水菜、春菊と、
畑にあるものでざっと七種類は揃うけれど、
さてこれをどのように取り合わせようか。
迷う七草。

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MOTION DISPLAY & PEDAL CAR展

2008-01-05 14:40:48 | 日々

東京駅丸の内地下の「行幸地下ギャラリー」にて。

モーションディスプレイというものは初めて見ました。
アメリカで宝石店のショーウィンドゥに飾られた
電気仕掛けで動く小さいお人形。
日本では昭和の中頃という時代。
30個くらいあって、カップルや結婚式のシーンが多い。
つまり「当店のダイヤの指輪をどうぞ!」という宣伝ですね。
時間決めで端から3分間ずつ作動するので、
ガラスに張りついて横移動しつつ見る。
面白い。

宇宙旅行に出かける新婚カップル。
海底で人魚に求婚しているダイバー。
大きなダイヤを囲んで「品質」や「幸福度」を調べる鑑定団。
馬に女の人を乗せて走るデイビー・クロケット。
(「テネシー生まれの快男児~」と歌いそうになってしまう。
年がばれる。いや、もうばれてるけど)
不思議の国のアリスをモチーフにしたもの。
不思議なほど可愛くない小人たちや天使たち。
などなど、いろいろ。
どれも凝りに凝って作ってあるけれど、
稚拙なのか精巧なのかよくわからないところが良い。

たとえば、こういうの。
美女が丸太にくくりつけられている。
その丸太は回転のこぎりの歯に向かって移動中。
のこぎりを操作しているのはいかにも怪しげな
手品師みたいな格好をした悪党。
危うし乙女の運命やいかに!?
というところで、勇敢な若者が窓からあらわれ、
間一髪、のこぎりを止めるのであります。
めでたしめでたし。
婚約指輪のお求めはぜひ当店で!

助けられる役の美女は美しくも可愛くもないし、
若者も貧相でダイヤなど買えそうにない顔つき。
しばらく見ていてやっと意図がのみこめる。
悪党だけがにこやかで立派で目立っている。

ひととおり見て、まだ見ていたかったけれど
遅くなるのであきらめる。
「人形って、怖いんじゃなかったっけ?」
とMに言われる。
怖くないです、こういうのは。小さいし。
というか、人に見せてもらうのはぜんぜん怖くないの。
ただ自分では所有したくないだけ。

もうひとつの展示のペダルカーは
アンティークの子ども用「一人乗り足こぎ自動車」で、
子ども用とはいえフェラーリありプジョオあり、
こちらもなかなか見事なコレクションでした。

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お正月のあれこれ

2008-01-04 09:37:50 | 日々

高層ビル45階にて。
昔ここに来たときは、このビルより高いものは
あまりなかったと思う。
お正月なのでほとんど動くものが見えない。
ここからの眺めはどんどんSF的になっていく。
たぶん都庁ビルができてから。

某ホテルのティールームにて。
朝食にMが頼んだ紅茶のポットに
小さい砂時計がついてくる。
高さ5センチくらいで全体が透明で、
砂がよくある蛍光ピンクでなくきれいなグリーン。
「あ、こういう砂時計欲しい」と思わず言う。
あとでMがレジの人に聞いたら、
どこで売っているか親切に教えてくれた。
こんど買いにいこうっと。

映画館にて。
子どもが小さいうちは、お正月に3人で
映画を観るのが恒例でしたが、
それぞれ好みが分かれてきたので、
近年はわりと別行動だったりします。
わたしは例の「匣」をひとりで観に行こうかと
直前まで迷ったあげく、やっぱりやめて、
お正月らしく娯楽大作を観ることに。
しかし最初のほうでうっかり数分間眠ってしまったため、
肝心の「謎」が何だか把握できないまま
「謎とき」に巻き込まれてゆく。

楽器店にて。
待ち合わせ時刻までのひまつぶしに、
並んでいる電子ピアノを鳴らしてみていたら、
店員さんが寄ってきて「ピアノの先生ですか?」と言う。
なわけないでしょう。
ピアノの先生が店頭でバイエルを弾くか?
でも、まんざらでもない気分。
いかにも買いたいような顔をして説明をしてもらう。

駅の地下にて。
「MOTION DISPLAY & PEDAL CAR展」を見る。
(この話は次回に書きます)

電車にて。
読む本も聴く音楽も持ってこなかったので、
目的地まであと40分ぐらいのところで退屈。
「読む?」とMが自分のカバンから本を出す。
内田清之助著「渡り鳥」。ハードカバー。
戦後まもなく出版された本、の復刻版。
そうか、こういう本を持ち歩くから、
Mのカバンはいつもぱんぱんで重たいのですね。
昔の、おとりを使ったカモ猟やカスミ網猟のことが、
じつに詳しく書いてあって面白い。

同じく電車にて。
斜め前の席に、小柄なおばあさんが
ひとりでちょこんと座っている。
地味だが品の良い和服姿。
水ようかんを持参のスプーンで少しずつ食べたり、
レンズの丸い眼鏡をかけて新聞を読んだりしている。
今年で百一歳になるという。
百一歳!
昔は東京で芸者さんをしていたらしい。
50年前に「彼」が亡くなり、以来熱海でひとり暮らし。
「もうねェ、ぼけてきちゃったのよ」と朗らかに笑う。
とんでもない、しっかりしたものです。
ひょいと三味線を弾く手つき。
ぴたりと決まる。
音が聴こえる。


猫を置いて36時間の外出。
すっかり暗くなってから帰宅すると、
ドアのむこうでちりちりと心細げな鈴の音。
「にゃーっ」と茶々姫がお出迎え。
あれ? あとの3匹は?
猫は猫で、どこぞで新年会か、それとも
食料の自主調達にでも行ったのかしらん。
1時間後、すもも嬢さん帰ってくる。
4時間後、真鈴ちゃん帰ってくる。
そして真夜中、ばりばりと音がするので見たら、
さんちゃんが脇目もふらずゴハンを食べておりました。

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