この品も、祖父の遺した物です。
口径 18.0㎝、最大径 28.8㎝、底径 16.7㎝、高 33.3㎝。重 5.12㎏。産地、時代不祥。
巨大というほどではないですが、大きな花瓶です。大きさの割りに、とても重いです。
海鼠釉が全面に掛かっています。
内側も全面施釉。
海鼠釉の陶磁器といえば唐物が有名です。が、この品が中国製かどうかは、はっきりしません。とても固く焼きしまった土で、底の露胎部には緋色が出ています。中国を思わせますが、胴継ぎでは無いようです。
内側には轆轤目があります。それに対して、外側上部と下部は非常に滑らかです。
一方、胴の中央部は、大きく削られて鎬になっています。
結果、上部と下部が圏線でぐるりと縁どられ、中央が面取りになったモダンな造形の器となっています。
これなら、渋い草木で荘厳に活けなくても何とかなりそう(^^;
ということで、今回も我楽多流の生花です(^.^)
分厚く、一気に轆轤で引き上げ、その後、ヘラで鎬状に削られたので重いのでしょうか、、、。
胴継ぎのない点、高台削りがなんとなく温和しい点などから、和風を感じますね。
製作年代については分かりませんが、近代的なセンスを感じますので、明治頃なのかなと感じました。
重いので、重く大きな枝ものを活けてもひっくり返る心配がなく、安心して活けられますね。
紐づくりの壷と勘違いするほど重いです。
確かに近代的なセンスが感じられますね。重さとのミスマッチをどう理解したらよいのやら(^^;
形も相まって、安定感がハンパでないです。これなら、近くにある花木をめったやたらに放り込んでも大丈夫(^.^)
水を入れたら10㎏ほどにもなり、女性ではちょっと動かせません。
その分、大きな松の枝なども入れられるそうです。
かつて、人手で持ち上げるのが困難で、ジャッキを使って大枝を入れた数奇者がいたそうです(^^;
木槿やアガパンサスなどが彩りよく入りましたね。
自然な感じの投げ入れでも、ちょっと改まった花でも
両方に重宝に使えそうです。
和の花も、バラのような洋花もどちらも似合いそうですね。
赤い実物も入れたらきれいでしょうね。
また生けて見せて下さいね~(^_-)-☆
まあ、許容範囲の恥かなと思える場合のみアップ。
自分で一番嫌なのは、いつも同じようパターンの活花になってしまうことです(^^;
こういう花器は、越後美人さんのような人に活けてもらえたらと、いつも思っています。