遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

漆器スープカップ作りに挑戦してみました

2023年03月01日 | 漆器・木製品

金継ぎの道具を探していた時に、作業途中の木工品がいくつか出てきました。当時、陶磁器や掛け軸よりも木工品に興味があり、金継ぎと平行して、木の器の色漆塗りを習っていたのです。

口径 10.4㎝、底径 6.0㎝、高 6.0㎝。

生地を作ることは素人には無理なので、素地がむき出しの木製カップを購入しました。これだけの表面積のカップを本漆で塗るのはこれまた素人には無理。さらに、色合わせとなると、ほとんど不可能。ということで、扱いの容易なカシュー(人工漆)を使いました(^.^)

透明漆を塗ったカップ2個。左側が2回、右側は1回です。

1回目の塗りだけでは、凸凹、ザラツキが目立ちます。金継ぎの場合と同じです。

そこで、細かい目のサンドペーパーで磨きます(さすがにトクサでは気が遠くなります(^^;)。写真は、把手の部分に取りかかった状態ですが、器の内外全部を磨きます。そして、2回目の漆を塗ります。それが、上の写真の左カップ。このようなプロセスを5回ほどくりかえさねばなりません。

色漆を塗ったカップ。

ダークグリーン:

5回塗り、コンパウンドで仕上げました。なんとかいけそう。

イエローカップ:

2回塗りをおえた器です。写真では見ずらいですが、まだまだアラが目立ちます。あと3回がんばらねば。

わざわざこんなに苦労してまで作業をするのはなぜ?

それは、私の持っている漆器の中で一番のお気に入り、色替り木製珈琲カップに何とか迫る品が手づくりできないだろうか、との野望(^^;)からでした。

おそらく特注品。よほどの趣味人が持っていた物でしょう。このような品が手づくりできれば、ガラクタ人生にも少しは光明が・・・・?

圧縮度の高い写真のおかげでアラが目立たず、それらしく見えますね(^.^)

 

 

 

 


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6 コメント

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Unknown (1948219suisen)
2023-03-01 11:19:56
木製のスープカップだと冷めにくくてよろしいですね。見た目も、おそらく持ったときも温かみが感じられることでしょう。私も一つ手元に置きたいと思いました。
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1948219suisenさんへ (遅生)
2023-03-01 13:54:31
紅茶やコーヒーの木製カップは、探せば入手できます。私もいくつか持っていて、ブログで紹介してきました。いずれも、感触が良いです。飲むときの気分もgoo。そこで、何とかスープも、となった次第です(^.^)
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遅生さんへ (Dr.K)
2023-03-01 19:15:24
素地がむき出しの木製カップというものも売っているのですね。
それに自分で色漆を塗って、自分好みのカップに仕立て上げるのですね。
手間はかかりますが、自分好みの物が出来てくるのは楽しみですね(^_^)

陶磁器の金継ぎだけでなく、木の器の色漆塗りをも習ったのですね。共に、根気が必要ですし、手間がかかるようですね。
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Dr.kさんへ (遅生)
2023-03-01 19:53:49
こういう物は手間がかかりますね。
昔は毎晩夜なべで、木物の剥げを塗り直したり、屏風の破れを補修していました。素人ですから大したできばえではありませんが、それでも何とか見られるようになると満足。で、また、すぐ次の品へ(^^;
あの執念はどこへいってしまったのでしょうね、自分でも不思議です(^^;
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遅生さんへ (みこと)
2023-03-03 18:36:21
お仕事ぶりもさることながら、2色のチョイスが絶妙ですね。単独でも一緒に使ってもテーブルで映えそうです。スープが入ったらなおさらか?
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みことさんへ (遅生)
2023-03-03 19:33:12
本漆で微妙な色合いを出すのは素人には無理です。
その点、カシュー塗料はいろんな色が揃っていますし、混合調整も可能です。値段も安いし、カブレることもありません。ただし、強さは漆よりも弱いです。
スープはもちろん、コーヒー、紅茶にもOK(^.^)
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