遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

五年越し、能管「真の寝取り」が上がりました

2024年03月12日 | 能楽ー実技

コロナで、能もすっかりご無沙汰でした。

遅まきながら再開して半年、ようやく能管の難曲が上がりました。コロナでの中断があったとはいえ、五年もかかってしまいました。

「寝取り」とは、能楽の笛の特殊な奏法の一つです。「寝取り」には、「真の寝取り」、「恋の寝取り」などがあります。

今回の「真の寝取り」は、小鼓とともに演奏される場合は、「置鼓」ともよばれます。翁付の能や老女物の能の始まり、ワキの登場の場面で演奏されます。

笛方にとって、重い習い事で、いわば一子相伝の秘曲です。師匠と私とは、丁度、親子の年齢差、でも一子相伝の親と子が逆転しています(^^; 

素人の手におえる曲ではありませんし、何かにつけ形式や慣習を重んじる伝統芸能界では、たいそうな手続きが必要です。が、そこは能楽界のヌーベルバーグ(古い言葉(^^;)の師匠、先の知れている私に一花咲かせるとの心遣いなのでしょうか、とにかくやってみようということになりました。

始めてみると、さすがに難曲、まず息が続きません。拍子が無いようで有るようで、つかみどころがない。さらに、緩急や間のとり方が難しい。特殊な指使いはもとより、口使い(そんな言葉はないのですが)も忙しい・・・・何とかのりきり、今日を迎えました(^.^)

よかったら、Youtube聞いてみてください。

 


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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
遅生さんへ (Dr.K)
2024-03-12 09:20:24
忙しいなかでも、能管の修行に励んでいたのですね。
一子相伝の秘曲の難曲ですか!
じっくりと聴かせていただきました(^-^*)
多芸、多趣味で、それぞれの道を、次々と極めつつありますね(^-^*)
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Unknown (ぽぽ)
2024-03-12 13:33:10
遅生さんへ
すごいです!多彩すぎです(^^)
お面の雰囲気もよくまじまじと聞き入りました。
なんの見識もなく恐縮ですが、音を出すのもむずかしそうですね。
やはり伝統芸能的なものは日本人として琴線にふれるような感覚で、厳かな気持ちにもなれました(^^)
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Dr.Kさんへ (遅生)
2024-03-12 14:15:10
謡いや鼓とちがって、能管の演奏曲目はそれほど多くありません。
長いことやっていて習得済が多くなるので、こういうマニアックな曲しか残っていないのかも知れません。けれど、一番の理由は、残り少ない身への恩情でしょう(^^;
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ぽぽさんへ (遅生)
2024-03-12 16:58:34
能管は鼓ほどポピュラーではないので、習う人は少ないです。その理由は、習い事の主役、女性にとって、吹くのが少々キツイからでしょう。それに、普通の家では音が鋭すぎて、練習をするのをためらわれます。
リードがないので、音を出すのは大変難しいです。口の形などで、一生鳴らない人もいます(^^;  
さる笛の会の発表会など、本当に発表をやっているのか、会場の中に入ってみないとわかりません。本人は一生懸命吹いているのですが、聞こえてくるのは、スース―という音にならない音だけ(^^;
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素晴らしい息継ぎ (tadaox)
2024-03-13 09:54:49
(遅生)さん、おはようございます。
笛を吹いているのは(遅生)さんなのですね。
素人の耳には大変心地よく聞きほれました。
息継ぎとかを玄人レベルでのお話なのでしょうがうっとりと聞き終わりました。
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Unknown (ぐふ)
2024-03-13 10:06:34
おきかせくださり、ありがとうございます。
まさに、これ
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遅生さまへ (くりまんじゅう)
2024-03-13 12:14:33
数々の能面が紹介され そのバックに流れる物悲しい笛の音は 遅生さまの演奏だったのですね。
これらについて何の知識もなく恥ずかしいですが これらのお面や↓に紹介された数々の
海外のお面などは 1つ1つ箱に入れて保管されていますか? 
それとも 壁みたいなものに掛けて保管されていますか?
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tadaoxさんへ (遅生)
2024-03-13 17:01:35
能管は、体を笛にぶつけるかのように力を込めて吹きます。なので、すぐに息が上がります。そこを、もたすには、唇を極限まで絞って空気を細くし、最大共鳴する角度で吹き込んでやる必要があります。ラムネの瓶を鳴らすイメージです。
口の筋肉が発達します(^.^)
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ぐふさんへ (遅生)
2024-03-13 17:02:41
コメント、ありがとうございます。
もう少し続けますので、今度の曲も上がったら、聞いてやってください。
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くりまんじゅうさんへ (遅生)
2024-03-13 17:20:56
こういう曲想のものはすくなくて、普通の能の曲は高い音でもっとキビキビとしています。能管は低い音は苦手なのですが、この曲は、敢えて多用しています。
貴重な数面をのぞいては、壁にかけるか、棚にポンと置いてあるか、その辺に転がっています(^^;
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